人民元の対ドル中間レートは今週、3日連続の上昇となった先週に引き続き、急速な上昇傾向を保持しており、英ロイター社はこれを「輸入から来るデフレ圧力が高まる恐れがある」と報道している。
中央財経大学国際金融研究センターの譚小芬・副センター長は国際商報記者の取材に対し、「通貨の値上がりは理論的にはデフレを起こしうるが、レート上昇が実体経済に影響するには時間がかかる。人民元の上昇が続いているわけでもないので、今回の上昇がデフレを激化させているというのは根拠のない話だ」と指摘する。
譚氏によると、デフレと判断できるのは一般的に、一般物価水準の増加率が継続的に下落し、時にはマイナス成長にまで至る状況である。データでは、CPIが低下を続け、時にはマイナスとなる。「データから見ると、『中国経済デフレ論』は事実と符合していない」。昨年のCPIの前年同期比上昇率は2%で、政府の設けた目標よりは低かったが、依然として成長傾向を保った。
王氏も、「1998年から2002年の第1次デフレの際のCPIとPPIの双方のマイナス成長や第3次産業価格の全面的縮小といった状況は、現在の中国には現れていない」と指摘する。PPIはマイナス成長となったが、CPIはずっとプラス成長で、そして2月の成長率も上昇していた。
▽中国経済は安定化・回復上昇へ
譚氏によると、現在の中国経済はデフレの圧力とリスクは存在しているかもしれないが、インフレ状態への突入にはまだ遠く、中国経済が安定化し回復上昇する潜在力は依然として高い。物価指数が低い水準にとどまっているのは、国内外の市場の需要が比較的弱く、メーカーサイドの債務圧力が増大しているなどの影響を受けたものと考えられる。輸入大口商品価格の下落を背景として、中国経済への外部からのデフレ圧力も高い。
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