田原氏は、多くの中国人作家が世界に進出できていない要因は、母国語を越えて自分の作品を見ることができていないからだと指摘する。「多くの人は、言葉の壁は越えられないと考えている。しかし、実際は、言葉には創造性があり、母国語を越えることはできる。閻連科の言葉には情熱と詩趣があり、肥沃な想像力がある。さまざまに組み合わされた修飾語や言葉は、詩的で豊かだ。閻連科の作品は非常に独特で、湧き上がる想像力と構造や虚構を生み出す無限の能力を持っている。閻連科の作品からは他の中国人作家の影響はほとんど見られない。非常に独特であり、これこそが創造性だ」。
■すでに長い歴史がある中日文学の逆転現象
閻連科氏は25日にインタビューに応え、「日本の文学界で我々が読める小説は、もっと日常的かつ人間本位のもので、奔放な想像力による『愉楽』とはあまり似ていない。また、日本文学では語り部を使った形式の小説や構造はあまり見かけない。もちろん中国の現実との関連性や、人物の心理描写の把握の点で、おそらく読者が期待する水準には達していたのだろう」と語った。
中日両国文学の交流における「逆転現象」について、閻連科氏は、「逆転現象は、すでに長い歴史がある」という見方を示し、「これは、1930年代から始まっている。我々多くの作家は日本人作家の影響を受けている。現代にいたるまで、日本の若い作家や村上春樹を含めて、日本の小説は、中国ではよく売れている。中国文学は日本では相対的に人気がない」と語った。(編集MZ)
「人民網日本語版」2015年3月27日 |