国有鉄道車両大手の中国南車と中国北車の合併手続きがだんだんと加速している。昨年末、両社ともに合併試案を発表してから、中国証券監督管理委員会(証監会)が合併申請を受理し、国務院常務会議で再編状況報告の聴取が行われるまで、わずか3カ月足らずという驚くべきスピードで事が進んだ。関係者によると、両社の合併は、早ければ今年6月に全て完了する見込みという。経済参考報が伝えた。
25日に開かれた国務院常務会議、2番目の議題は「中国南車・中国北車再編状況報告の聴取」だった。国務院の李克強総理は、「引き続き国有企業の国有資産改革を加速させ、市場メカニズム効果を存分に発揮し、強者連合を促進し、資源配置を合理化し、企業法人のガバナンスを改善し、核心技術の突破と商業モデルの革新を推進し、国有企業の活力を増強し、世界と十分に戦えるという新たな強みを作り上げる」よう求めた。
ある関係者は、「今回の経緯から、南車と北車の合併がさらに加速することは明らかだ。国有資産監督管理委員会(国資委)は、両社のトップ層との面談を終えた。月末までには、合併後誕生する新会社『中車股フェン公司』の新人事が発表される可能性が高い」と漏らした。
南車と北車の公告によると、今回の合併では、中国南車が中国北車を吸収・合併するという形式をとる。合併後の新会社「中国中車股フェン有限公司(中車)」には、全く新しい企業コードおよび株式略称・株式コードが割り当てられる。また、中国南車と中国北車のあらゆる資産、負債、業務、従業員、契約、素質、その他の全権利・義務が新会社に継承される。
両社合併後に誕生する中車の資産総額は3千億元を上回り、来年の年間営業収入は3千億元前後に達する見通し。中国工程院の王夢恕・院士は、「『高速鉄道の海外進出』は大局の赴くところだ。南車と北車の合併は、中国高速鉄道の海外進出に多大な利益をもたらす。世界中に中国をアピールする『名刺代わり』と言っても差し支えない」と指摘した。
ドイツ軌道交通権威機関(SCIVerkehr)が発表した「世界鉄道技術設備市場」によると、現在の世界軌道交通設備市場において、中国北車と中国南車はトップと第2位を占めている。第3位以下は順次、ボンバルディア(カナダ)、シーメンス(ドイツ)、アルストム(フランス)、GE(米国)、川崎重工(日本)。トップの中国2社の販売収入総額は、これら5社の総額に匹敵する。
2014年末の時点で、中国高速鉄道の総営業距離は1万6千キロメートルに達し、今年の年末には1万8千キロメートルを上回ると予想される。国家幹線鉄道網計画によると、高速鉄道は今後も急成長を維持する見込み。城際(都市間)鉄道ネットワークの分野では、2014年末の時点で、各都市群における都市間鉄道の計画総距離は2万キロメートルを上回り、うち2016年から2020年に竣工が予定されている距離は1万2千キロメートルに達すると見られ、都市間鉄道専用高速鉄道車両に多大な市場ニーズがもたらされる。都市軌道交通システムについては、2014年末の時点で、全国37都市における都市軌道交通システム建設計画が認可されている。(編集KM)
「人民網日本語版」2015年3月26日 |