年に一度の両会(全国人民代表大会と全国政治協商会議)が成功裏に閉幕した。外国メディアや外国の高官の目に今年の両会はどのように映ったのだろう。「4つの全面」、「経済の新常態」、「一帯一路(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)といった今年の両会のホットなキーワードを巡り、人民網日本語版は小中鉄雄JICA中国事務所所長にインタビューを行った。
JICAは中国において大気汚染対策や廃棄物処理、また持続可能な農業等に関わる技術協力プロジェクトを長年実施している。そうした立場から小中氏は、「中国が今後安定的な経済成長と環境改善を両立させるためにも、日本の経験や技術を活かし貢献していきたい」と語る。
中国や国際社会で話題を集める「新常態(ニューノーマル)」については、これまでの「経済至上主義」が環境問題や地方債務問題、過剰生産問題、ゴーストタウン問題といった様々な問題を引き起こしており、新常態への移行が成長の質を改善することができるならば、それは良い方向性であると小中氏は考える。また、短期的には中国の世界経済のエンジンとしての役割が弱まる可能性があることから、他の新興国を中心に経済面でネガティブな影響もありうるが、「中長期的には内需増大によるグローバル経済へのポジティブな影響をもたらす」と期待を寄せる。
「4つの全面」で挙げられている中国の法整備についても、JICAとして重要視しているテーマの一つだという。JICAは「市場経済の健全な発展と民生の保障のための法整備プロジェクト」による技術移転を進めており、「日本の経験が今後の中国の法による統治に貢献できることを期待している」と語る。
中国が掲げる「一帯一路」建設について、JICAが展開する業務はアジアの国々も含まれることから、「密接な情報共有を行いながら、協力していけることを期待したい」とし、昨年のAPEC会議での両国の首脳会談を踏まえ、「2015年の日中関係はさらに改善していくことを期待している」と語った。(編集IM)
「人民網日本語版」2015年3月20日