商務部(省)は17日、定例記者会見を開催し、今年2月の商務の運営状況を紹介した。商務部の沈丹陽報道官は、ユーロの対人民元レートの大幅安によって、中国の輸出成長に圧力を高めていると同時に、中国企業のユーロ圏での投資や買収合併にチャンスをもたしているとの見方を示した。中国新聞網が伝えた。
沈報道官は、ユーロの対ドルレートには大幅な下落を示す多くのデータがあり、これについては商務部も注意・分析していると語った。ユーロの対ドルレートは13日までに累計13.2%の下落となり、対人民元レートも10.8%下がった。ユーロ対人民元レートの大幅な下落は、中国の輸出成長に圧力を高めている。
沈報道官は、ユーロの対人民元レート下落の影響について、貿易の角度から、「ユーロ圏市場では、中国の輸出製品の価格優位は弱まっている。ユーロ圏と中国以外の市場では、ユーロ下落はユーロ圏の輸出成長を刺激し、中国の一部の高付加価値輸出製品を激しい競争に直面させている。中国がユーロ圏から輸入する商品は主に、車両や航空機などの電子機器製品や化学製品に集中しており、これらの製品が受ける価格変動の影響は大きくない」と分析している。
沈報道官は、投資の角度からの分析として、「ユーロの対ドルレートの下落は、ユーロ圏の資産価格の下落につながっており、中国企業のユーロ圏での投資と買収合併にチャンスをもたらしている。今年1月と2月、欧州に対する金融業以外の直接対外投資が前年同期比10.5倍となったのはその結果の一つと考えられる。対外投資に影響を与える要素は多いが、資産価格はその一つにすぎない。ユーロ安を背景として、中国の対欧投資の傾向と動向は今後も見守っていく必要がある」と指摘した。(編集MA)
「人民網日本語版」2015年3月18日 |