中国とタイの両国政府は昨年12月に高速鉄道共同建設計画をめぐり枠組み協議を締結、今年9月からタイで総延長距離734kmの高速鉄道を建設する工事を開始する予定だった。しかし、それからわずか3カ月後に、東南アジア諸国で日本と中国による高速鉄道の受注競争が繰り広げられ、タイ政府が日本の低金利融資を求める可能性も出てきた。タイ政府の態度の変化は、我々に中国高速鉄道の輸出は、海外では一筋縄では行かず、リスクや障害に遭うことが避けられないことを再認識させた。しかし、この件によって中国高速鉄道が萎縮するようなことがあってはならず、今後努力を続ける中で真の強者とならなければならない。国際金融報が伝えた。
この2年間、中国がこれまで積み上げてきた大量の技術をもとに、各国の高速鉄道技術の長所を融合させて作り上げた中国高速鉄道技術や設備は世界でもトップレベルに達し、国際舞台での影響力も日増しに強くなっている。そんな中、中国高速鉄道は積極的に世界市場の開拓を始め、李克強総理も自ら「トップセールス」を手掛けている。また、中国南車集団と中国北車集団の合併により、中国の高速鉄道や軌道交通装備業は、「メードインチャイナ(made in China)」から「クリエイテッドインチャイナ(Created in China)」への転換が加速されたほか、中国高級装備産業のアップグレードが強力に推進されるなど、勢いが加速された。
ただ、中国高速鉄道の海外進出は、自主知的財産権を除くと、主に低価格に依存していることは否定できない。しかし、この一点だけでは、中国高速鉄道のブランドを打ち立て、世界の高速鉄道建設ブームを牽引するには不十分だ。中国高速鉄道はより高いレベルから世界市場の開拓を進め、質の高さで勝利を収めることこそ王道だ。
これは、中国高速鉄道の質が悪いという意味ではなく、国際的に認められる規格が欠如していることを示している。現在、中国高速鉄道の総延長距離は世界で1位を誇る。だが、日本やドイツなどの高速鉄道の伝統強国が確立した規格システムの中で、中国の発言権は少ない。そのため、中国高速鉄道輸出の鍵は、世界基準の攻略ポイントを把握し、他国の基準に合致させるという課題を解決することだ。
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