▽投資を増やす:たくさんの矢を一斉に放つ
消費を拡大するだけでなく、投資も政府が成長を効果的に安定させるための主要な手段だ。李総理は、「第12次五カ年計画(2011-15年、十二五)の重点建設任務を確実に達成するために、中国は一連の新たな重要プロジェクトの実施をスタートし、これにはバラック密集地の改造、鉄道、土木工事などへの各種投資を一斉に行い、中部・西部地域に重点的に配置し、巨大な内需パワーをよりよく発揮させることが含まれる」と述べた。
これについて、中投顧問産業・政策研究センターの関連部門責任者は、「これまでインフラ建設投資は主に地方政府が行っていたが、投資が回収されるまでの期間が比較的長いことから政府の債務比率が高止まりしていた。経済ペースの鈍化にともない、経済を喚起し、民間投資を奨励することが、最良の選択肢になる」と話す。
▽新業態:主導産業になる
実際、経済の新常態を牽引しようとするなら、新興産業や新興業態の拡大発展と離れるわけにはいかない。政府活動報告では、「今年は先端設備、情報ネットワーク、集積回路、新エネルギー、新材料、バイオ医薬、航空機エンジン、ガスタービンなどの重要プロジェクトを実施し、一連の新興産業を主導産業に育成することが必要である」ことが明確に示された。また、「『インターネット+』行動計画を制定し、モバイルインターネット、クラウドコンピューティング、ビッグデータ、モノのインターネットなどの現代型製造業との結びつきを推進し、ネット通販、インダストリアルインターネット、ネットバンキングの健全な発展を促進し、ネット企業の国際市場開拓を誘導することが必要だ」としている。
全国人民代表大会の代表を務める杭州娃哈哈集団有限公司の宗慶後董事長(会長)兼総経理(社長)は、「中国はすでに高度成長の段階を過ぎた。もともと私たちはお腹一杯食べるため、暖かい服を着るため、懸命に経済を発展させてきた。こうすることで一連の問題も引き起こされ、資源の消費や環境汚染が起こった。新常態の下で、過度の拡張型の発展モデルを、質と効率に配慮した発展モデルへ、また金山や銀山もあれば澄んだ水や緑の山もあるという環境保護型の発展モデルへと転換させることが必要だ。現在、経済成長率が低下していることは、中国経済の衰退を物語るものではなく、モデル転換やバージョンアップの一つの過程に過ぎない。経済の新常態の下で、私たちはイノベーションを駆動力とし、もともと遅れていた部分を改良することで、よりよい発展を遂げなければならない。そうして新興産業が主導産業へと成長する過程で、企業には多くのチャンスがもたらされることになる」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年3月6日 |