王毅外交部長(外相)は23日、国連本部で国際平和・安全に関する安保理の公開討論の議長を務めた。王部長は「21世紀の国際関係について、われわれは衝突ではなく平和を、対立ではなく協力を、強権ではなく公正を、ゼロサムではなくウィンウィンを主張する」と表明した。新華網が伝えた。
王部長は21世紀の国際関係について、次の4点を主張した。
(1)衝突ではなく平和。世界のいくつかの地域で依然動揺や衝突が生じている。問題解決の根本的な道はやはり憲章の趣旨と原則を遵守し、国連および安保理の権威を守ることだ。中国側は、安保理を通さないいかなる一方的行動も合法性や正当性を備えないと考える。安保理は衝突防止策を早めに立て、速やかに戦乱を制止し、できるだけ早く平和と復興を実現する必要がある。
(2)対立ではなく協力。われわれはグローバル化と情報化が日増しに進む世界に暮している。グローバルな試練がどんどん増えており、共に困難を乗り越え、手を携えて協力することが唯一の選択肢だ。世界各国、特に主要な大国は協力意識を強化し、対抗思考を捨て、各国の話し合いと協力を通じて世界や地域の平和と発展を妨げる重大な問題を解決すべきだ。
(3)強権ではなく公正。国際関係の民主化と法治化は時代の要請だ。自国の意志を他国に押しつけてよい国はなく、他国の合法的政権を転覆する権利のある国もない。大小、貧富にかかわらず国家は一律平等との考えを堅持し、各国の主権、独立、領土の一体性を尊重し、各自の選択した発展の道と社会制度を尊重し、国際法と国際関係の準則を尊重し、文明の多様性を尊重しなければならない。
(4)ゼロサムではなくウィンウィン。現代世界において各国は相互依存と利益融合を日増しに深めている。冷戦思考やゼロサムゲームといった時代遅れの理念は歴史のゴミ箱に断固捨て去るべきだ。中国側は二国間、多国間のウィンウィンの新理念を提唱し、利益・運命共同体の新理念を確立し、権利と責任を共に担い、義と利を両立する新たなやり方を実行する。
公開討論後、中国側の提案が日本を標的にしたものかとのメディアの質問に対して、王部長は「中国側が今回の会議を提唱したのは、各国民の全体的利益に着眼し、人類の平和と未来に着眼したものであり、歴史を鑑として未来を切り開くことが目的だ。大国である中国には大きな度量と構えがあり、特定の国を標的にすることはないし、その必要もない。もちろんわれわれは、自国に対するものだと受け止める国が出てくることも望まない」と述べた。(編集NA)
「人民網日本語版」2015年2月25日 |