財政部(財務省)と国家税務総局は12日に合同で通知を通達し、2015年1月13日より、ガソリン、ナフサ、ソルベントナフサ、潤滑油にかかる消費税について、現行の単位あたりの税額を基礎として1リットルあたり0.12元(1元は約19.1円)引き上げることを明らかにした。ディーゼルオイル、ジェット燃料、重油の消費税は同0.1元引き上げとし、ジェット燃料については暫定的な徴収の緩和措置を継続するという。人民日報が伝えた。
石油製品にかかる消費税率を引き上げると同時に、国家発展改革委員会は通知を通達して、ガソリン価格を1トンあたり180元、ディーゼルオイル価格を同230元、それぞれ値下げすることを決めた。小売価格(全国平均)にして90号ガソリンは同0.13元の値下げ、0号ディーゼルオイルは同0.20元の値下げになるとみられる。価格調整は今月12日午後12時に行われる。
既存の石油製品価格形成メカニズムに基づいて試算すると、ガソリン価格は1トンあたり395元値下がりし、ディーゼルオイルは同380元値下がりする。ガソリンの消費税額は1リットルあたり0.12元引き上げ、ディーゼルオイルは同0.10元引き上げになるので、1トンに換算するとガソリンは215元、ディーゼルオイルは150元の値下げになる。これらの要素を総合的に考えると、国内のガソリン価格は1トンあたり180元の値下げ、ディーゼルオイル価格は同230元の値下げになる。
専門家は、「今回の石油製品の消費税率引き上げは原油価格が低下するタイミングを選んでうち出されており、また税率の引き上げと値下げを同時に実施していることから、物価への影響はないとみられる。税率を引き上げても価格は下がり、マクロ調整の需要と国民や企業の負担能力の双方に配慮したといえる」と話す。
中国の消費税は現在、あらゆる消費財に対して課せられているわけではなく、エネルギー消費量が大きく、汚染度が高く、日常的でないといった特徴を備えた一部の消費財に対し課せられている。消費行為や所得格差を調節する役割が中心だ。
財政部と国家税務総局によると、14年第4四半期(10-12月)に石油製品の消費税率を2回にわたって引き上げたのに続き、今回も引き続き単位あたりの石油製品の消費税率を引き上げる狙いは、大気汚染対策の推進、発展モデル転換の促進などで果たす消費税の役割を一層発揮させることにある。石油製品の消費税率引き上げ後に生まれる新たな税収は、これまで通り一般公共予算に組み込まれて統一的に利用され、主に次の2方面への積極的な支援に役立てられる。
一つは、環境汚染対策と気候変動対応への支援だ。もう一つは、省エネの促進と新エネルギーの発展奨励だ。
現行のガソリン・ディーゼルオイル価格形成メカニズムを踏まえると、引き上げられた消費税は小売価格に反映されるため、石油製錬企業は基本的に今回の消費税率引き上げによって直接の利益を得たり損失を被ったりすることはない。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年1月13日 |