政策表明を見ると、中国の追求する中国・中南米関係は政治面の真摯な相互信頼、経済・貿易面の協力・ウィンウィン、人的・文化面の相互学習・参考、国際問題での緊密な協力、全体協力と二国間関係の相互促進という五位一体の関係構造だ。こうした関係の中核にあるのは協力・ウィンウィンであり、中国は中南米において排他的利益を求めないし、ましてや米国と「勢力範囲」を争奪することはしない。
協力分野を見ると、中国は中南米と「1+3+6」協力という新たな枠組みを共同構築することを提案している。すなわち、あまねく広がる成長と持続可能な開発の実現を目標に、5カ年協力計画1件を策定し、各自の発展戦略の結合を実現する。貿易協力、投資協力、金融協力を「3大エンジン」に、中国と中南米の実務協力の全面的発展を後押しする。そしてエネルギー資源、インフラ整備、農業、製造業、科学技術革新、情報技術の「6大分野」を協力の重点とすることだ。こうした協力のフレームワークが体現するのは協力・ウィンウィンであり、中国・中南米双方の利益に合致し、中南米地域の経済繁栄・発展を促進し、地域の貿易・投資環境を改善することができる。それ自体、実はこの地域における米国の貿易・投資にもプラスだ。パイが大きくなれば、各国共に利益を得られるからだ。
中南米地域における中国の存在感と影響力の高まりによって、中南米諸国に選択の余地ができたことは隠し立てするに及ばない。中米の新型の大国関係の構築の観点から言えば、双方は中南米において戦略競争を回避する必要があるだけでなく、中南米における各々の優勢によって、中国、米国、中南米の三者協力の展開を試み、三者のウィンウィンを実現するべきだ。中国と米国とはすでにこの点を認識し、2006年に両国外務当局間による中南米協議を始動した。
米国は最近、キューバとの関係緩和を含め、中南米諸国との関係改善措置を講じてもおり、すでに中国側はこれに歓迎の意を表明した。中南米諸国の一部は米国に対して疑念や懸念を抱き、好感を欠いているが、全体的に言えば、中南米諸国も中国と米国が中南米地域で「ゼロサムゲーム」を行うことを望んでいない。中米両国は中南米において協力・ウィンウィンを実現することが完全に可能だ。(編集NA)
「人民網日本語版」2015年1月8日