北京市、天津市、河北省の一体化計画がスタートしてからまもなく1年になる。3地域にはビジネスでどのような新しいチャンスがもたらされただろうか。今月26日、北京商報社と北商商業研究院が共同で作成した「北京商業発展青書2014」が2014年度北京商業サミット・フォーラムで発表された。青書には14都市の商業調査報告が集められ、北京・天津・河北地域(京津冀地域)の商業の発展にみられた5つの新たな傾向が総括されている。
同青書は京津冀商業圏の概念を次のように説明する。「商業発展のレベルと影響力でトップの北京が中心円になり、天津が北京に隣接する直轄市として中心円からの距離が最も近い商業ベルトになり、北京の新都市、天津の郊外県、両市に近い河北省の一部地域が交通の便のよさを強みとして衛星都市の特徴を発揮する。このように、一つの輪が外側の輪へと伸び、輪ごとにいくつかの都市があると同時に、輪同士が影響し合い、お互いに補い合えば、効果を波及させることができる。同研究院は、京津冀一体化という大きな流れを背景に、3地域がトップ部分の設計の面から商業の輪の将来の発展を計画し誘導し、相互に連携させることができれば、協力が商業のパワーと能力を形成すること、消費ニーズや市場規模の全面的な拡大を喚起することが可能になる」。
▽傾向1:産業プロジェクトが商業の発展を喚起
産業の特徴が鮮明な都市や地域、または有名な産業プロジェクトを抱えた都市や地域は、往々にして他の場所よりも優れた現実的な土台と成長の潜在力を備えている。北京市通州区はその典型だ。
現在、13年にわたり準備が進められている北京ユニバーサル・スタジオが認可を取得し、通州区に建設されることが正式に決まった。計画によると、このプロジェクトにより毎年2億5千万人前後の観光客を誘致し、1万人の雇用を生み出すという。より重要なことは、このプロジェクトにより文化・クリエイティブ、ホテル、外食、小売など一連の関連プロジェクトの建設が行われるとともに、これに匹敵する大量の商業的消費がもたらされるということだ。通州は今後、北京地区の商業発展の新たな注目点へと急速に成長することが予想される。
また天津市武清区、河北省の辛集市と白溝鎮などもそれぞれの特色を備えた産業やブランドプロジェクトを擁し、地域経済を活発にしているだけでなく、特色ある産業・商業の発展の道を探り当てたといえる。
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