中国人民銀行(中央銀行)がこのほど発表した最新の業務論文は、中国の国内総生産(GDP)の実質値は2014年の7.4%から15年はやや低下して7.1%になるとの見方を示した。同論文は、15年の消費者物価指数(CPI)上昇率は2.2%で、14年とほぼ変わりなく、15年の輸出増加率は6.9%で、前年比0.8ポイント上昇し、輸入増加率は5.1%で同3.2ポイント上昇し、また経常項目における黒字の対GDP比は2.4%で、14年の水準をほぼ維持すると予測する。人民網が伝えた。
中央銀行のサイトに今年10月、「人民銀行業務論文」というコーナーが誕生し、同行系列の職員の執筆した学術論文が掲載されるようになった。経済、金融、関連の改革の発展などがテーマとされ、関係者が行ったテーマ研究の初歩的な成果を披露したものが多い。最新の論文は研究局の馬駿チーフエコノミストのチームが発表したものだ。
この最新の論文は、15年の経済成長、物価、国際収支などの主要経済指標についての予測をうち出している。経済が「三期累加」(経済成長の転換期、構造調整の変動期、経済の抱える問題の消化期が重なりあうこと)の時期に入ったことを背景として、来年の経済には「新常態」(ニューノーマル)の特徴がより多く現れるようになり、成長ペースがやや鈍化するとみられるが、雇用情勢と物価状況は基本的な安定を保ち、経済構造が引き続き改善され、経済成長の持続可能性が強化されるという。
同行がまとめた報告では、経済成長の基準をめぐり次のような予測を示す。実質GDP成長率は14年の7.4%から15年はやや鈍化して7.1%になる。一方では輸出の伸びが海外の経済復興などの要因によって加速するとみられ、また一方では不動産開発投資が上半期の分譲住宅の販売の落ち込みを受けて引き続きペースを低下させるとみられる。輸出の加速は経済成長にとってプラスだが、不動産投資のペースダウンによる下方圧力は輸出の加速で完全に相殺できるものではない。
同論文によると、今年のGDP成長率は7.4%で、1990年以来の最低になり(90年は3.8%)、来年はさらに7.1%に低下することが予想されるという。
また同論文によると、15年の基準を予測する際の主要な仮定条件である先進エコノミーのGDPを、14年の1.8%から15年は2.3%に引き上げるという。
同論文は海外での動きについて、「全体としていることは、先進エコノミーの成長率は成長の潜在力のレベルに回復することが予想され、特に米国は潜在力を超える可能性がある」とする。国際通貨基金(IMF)の最新の予測では、米国の経済成長率は14年の2.2%から15年は3.1%に上昇し、ユーロ圏経済は14年の0.8%から15年は1.3%に上昇し、日本経済は14年の0.9%から15年は0.8%に低下するという。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年12月16日 |