北京で一汽トヨタの複数のディーラーを訪問すれば、次のような光景を目の当たりにすることだろう。新型カローラやRAV4が店内の最も目立つ位置に並べられ、クラウン、REIZ(マークⅡ)、カローラEX、ヴィオス、プリウスが「引き立て役」として周囲に並べられる。一汽トヨタの「優等生」と「劣等生」が、ひと目で分かるようになっている。中国経済網が伝えた。
記者がこのほど北京で一汽トヨタの複数のディーラーを訪問したところ、「劣等生」には値下げ販促の看板が立てられていた。露骨な価格調整はブランドのイメージを損ねており、かつ単一的な販促も多くの消費者の足を止めていない。一汽トヨタの販売員は、「クラウンはアウディやBMWに勝てず売れ行きが不調で、カローラEXやヴィオスのようなコンパクトカーはフォルクスワーゲン(VW)に市場を奪われている」とやるせない様子だった。
一汽トヨタは今年9月、2014年度の販売目標を66万台から62万台に引き下げることを発表した。これにより、同社が4年連続で年間販売目標を実現できなくなるという予想が強まっている。一部メディアは、「多くのディーラーは販売目標の下方修正にホッとしている」と報じた。
江蘇省自動車交易管理協会は12月1日に発表した調査結果の中で、「企業の非合理的・不平等・高圧的な経営方針により、一部の一汽トヨタのディーラーでは在庫が限界の10倍に達し、深刻な赤字に陥り、生死の境目に立たされている」と報告した。
一汽トヨタの販売はかつてないほど力を失っている。この状況はディーラーの販売に最も良く反映されている。
中国経済網の記者が初冬のある日、北京潘家園自動車城の一汽トヨタのディーラーを訪れたところ、顧客が店内に入っても出迎えもなく、ましてや積極的に車を紹介しサービスを提供しようとする販売員もいなかった。多くの顧客は自分で車を見ており、冷遇されていた。
一汽トヨタの納車の遅れも、一部の潜在的な顧客を他社ブランドに移らせている。新型カローラの購入を検討していた女性が「納車時期」について尋ねると、「新車の生産能力が追いつかず、2カ月前に予約が必要」という答えが返された。この女性は待つのが嫌で、購入を諦めたという。一汽トヨタの販売員は記者に対して、「これは販売の成績に悪影響を及ぼす」と率直に語った。
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