中国人民銀行（中央銀行）が21日に利下げに踏み切ったことを受け、上海・深センの株式市場は24日、高値で引けた。売買代金は計5884億元（1元は約19.2円）に達し、A株の1日あたり売買代金としては過去最高額を記録した。引値は、上海総合指数2532.88（前日比1.85％増）、売買代金3302億9100万元。深セン成分指数8577.91（2.95％増）、売買代金2541億2400万元となった。人民日報が伝えた。

▽利下げで優良株・権重株（A株市場に影響力をもつ株）が上昇

利下げで金融緩和の期待が高まったことが、優良株・権重株の力強い上昇を招き、株価指数が大きく上昇したことは明らかだ。

モルガン・スタンレー・インベストメントは、「今回の利下げは、市場金利および融資コストの低下を図ることが目的。実質金利を合理的水準に戻し、企業の融資コスト高の問題を緩和しようとする中国の決心が示された。これは今後しばらくの間、市場にプラスの効果をもたらすだろう。24日の相場の動向は、市場の自信の表れ」と分析する。市場関係者の多くも、「利下げは実体経済に利益をもたらし、融資コストの低下が期待できる」との見方を示している。

これに刺激を受け、証券関連株も上昇。引値は7.11％の大幅増となり、上昇率は上海・深センの両株式市場でトップとなった。また、不動産関連株も軒並み上昇、引値は3.76％増と、上昇率ランキングで4位につけた。

利下げの影響で、融資コストが大幅に低下する可能性があることから、中国鉄建、中国中鉄、中工国際などの高速鉄道関連株も再び上昇を見せた。また、ベンチャーキャピタル関連株・銭江水利は３営業日続けてストップ高をつけ、大衆公用、大衆交通なども上昇した。新華保険、中国人寿、広発証券、招商証券などもストップ高をつけた。

市場を刺激しているのは利下げだけではない。あるメディアがこのほど、「今後、水質汚染対策の基準引き上げが改革の重点となる」と報じたことを受け、水道事業関連銘柄が力強い上昇を見せた。