▽結婚市場の競争力が不動産価格を押し上げる
魏チーフエコノミストは不動産価格について、「不動産市場に影響する要因には、構造的な要因、投機的な要因、周期的な要因の3つがある。投機と周期の2点は不動産価格を短期的に上下動させ、調整を行うなら主にこの2点から始めることになる。構造的な要因は不動産を支える基本的な側面であり、調整は難しい。男女比のアンバランスは不動産の構造調整に影響する要因の一つであり、重視する必要があると考えている」と述べた。
農村部でも都市部でも男女比のアンバランスが深刻な地域では、深刻でない地域よりも不動産価格が高い。研究の結果わかったことは、1997年から2007年までの間の中国の貯蓄の増加分の約50%は、性別のアンバランスによってもたらされたということで、不動産価格上昇の30%はこのことを踏まえて解釈できるということだ。中国の不動産価格は長らく調整が行われているが、大幅で持続的な低下現象はまだみられない。不動産価格はなぜ下がらないのだろうか。マクロ調整の力不足だけに原因を押しつけてはいけない。男女比のアンバランスは過去5年間変化していないし、今後10年も引き続き悪化するとみられる。これは頭に入れておかなければならない点だ。
「硬直的需要」(値段の影響を受けにくい需要)が不動産価格を押し上げているのだろうかという問いがある。
魏チーフエコノミストこの問いに対し、「硬直的需要であれば、農村の人口が都市部に移転した場合、住宅ニーズは家を買ったり借りたりすれば解消される。この場合、不動産購入価格と不動産賃貸価格は同時に上昇するはずだが、実際には購入価格の対賃貸価格比が上昇している。このことは男女比のアンバランスで説明できる。結婚したいと考える男子にとっては、家を借りようが買おうが住居問題の解決という点では同じことなのだが、結婚市場における相対的な資産の競争力ということを考えると同じとはいえない。競争が繰り広げられた結果、購入価格と賃貸価格との開きがますます大きくなったのだ」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年10月29日 |