--侵略の歴史の否定・歪曲を決して許さない
ドイツで開催中のフランクフルト・ブックフェアの中国ブースで10月8日午後、「東京裁判:忘れられたニュルンベルク」と題する国際シンポジウムが開かれた。出席した専門家・学者は、「ニュルンベルク裁判が今も大きな影響力を持つのと比べ、世界の学術界の東京裁判に対する研究は比較的少ない。『ほとんど誰にも知られていない』と言えるほどだ。東京裁判の研究を深め、歴史の真相をとどめ、歴史の教訓を心に刻み、悲劇の再演を防がなければならない」と指摘した。人民日報が伝えた。
シンポジウムでは、ドイツ書籍「Nach Nürnberg und Tokio(ニュルンベルク裁判と東京裁判の後)」の中国語版が発表された。ドイツ人Manfred kittel氏の著書である同書は、戦後の日本とドイツの謝罪・賠償の過程を鋭く対比させ、日本が反省に欠け、さらには罪を否認するに至った文化的要因を深く分析している。kittel氏は、「日本の軍国主義と、ナチス・ドイツの残虐行為のイデオロギーの基礎は驚くほど似ている。すなわち、国家政権全体が、系統的かつ計画的に他の民族に対して残虐行為を行ったという点だ」と強調する。日本は反省する態度に欠け、さらには罪を否認し、それによって東京裁判で日本の戦犯人数と量刑にずれが生じ、徹底的な人員粛清が行われず、最終的には被害国への賠償額の不足につながった。日本の神道信仰・歴史教育・大衆世論に対しても償いが課されなかった。「外的圧力」の小ささと、「内的自覚」の不足により、日本は、極端な民族主義・軍国主義の遺産に対して「正しい認識」がほとんど無く、歴史に対しても長期的に「見てみぬふり」を通している。
kittel氏はまた、「1945年以降の数十年間、日本政府は歴史問題に関して信頼に欠ける態度を示してきた。第2次世界大戦時の極端な軍国主義政権および残忍な統治に対し、日本政府は責任逃れをしている。日本国内でも、戦犯が東京の靖国神社に祀られている。戦争を経験したある米国人は日本のこうしたやり方を、『まるでドイツ人がベルリン市の中心部にヒットラーのための教会を建設するようなもの』と比喩している」と批判した。さらに、「日本がもし隣国と和解したければ、自国のやっていることを見直し、変化を起こす決心を下すしかない」と指摘している。
中国国家新聞出版広電総局輸入管理司の張福海司長は、「『ニュルンベルク裁判と東京裁判の後』という重要な著作の中国語版がこのたび発表された。これは、中華民族が一貫して平和を愛する民族であり、世界の平和を維持するパワーであることを世界に示すものだ。これはまた、我々が最大の決心と努力でもって、世界各国の人々と共に、中国人の抗日戦争および世界の反ファシズム戦争の勝利の結果を守り、戦後の国際秩序を断固として守り、侵略の歴史を否定・歪曲する行為を決して許さず、軍国主義の再来を決して許さず、悲劇の再演を決して許さないことを表明するものだ」と指摘した。(編集SN)
「人民網日本語版」2014年10月9日 |