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楊伯江研究員 |
中国社会科学院日本研究所の楊伯江研究員は9月29日、「第10回北京—東京フォーラム」で発言し、同フォーラムの一環として行われた政治サブフォーラムの議論は、現実にある状況をターゲットとし、政策としての操作性も高いもので、基本的な共通認識の達成にこぎつけることができたとの評価を示した。共通認識の数は多くないが、内容は非常に貴重なもので、重要性は極めて高い。共通認識は主に次の3点にまとめられる。
第一に、中日両国は、平和共存を堅持し、対話と意思疎通を通じて、双方の相違を適切に解決する。平和共存し、友好的に接することは、常識や現実だけでなく、真理でもある。中日関係は現在、複雑な原因と背景によって悪化している。両国は、理性的かつ冷静に対話を保たなければならない。有効な対話を本当に実現するには、双方が歩み寄り、良好な環境をともに作り出す必要がある。
第二に、中日関係の改善にあたっては、敏感な問題とりわけ歴史認識の問題を避けてはならないし、避けることはできない。問題をごまかしてその場をしのぐことは、さらに激しい対立と摩擦の種を未来に残すことになる。歴史問題の適切な処理は、中日間の4つの政治文書にもはっきりと書かれており、中日関係が過去の一時期に良好な発展状態を保った土台の一つとなった。両国関係の今後の改善と発展にとってもこれが土台の一つとなる。
第三に、戦略対話を推進し、中日両国の社会の間での交流を深める。戦略対話には少なくとも2つのレベルがある。第一に、本国の発展方向や発展戦略で、これには対外戦略も含まれる。第二に、地域の秩序や世界の秩序に対する構想、さらに互いの関係に対する戦略的位置付けである。
楊研究員によると、国家の関係の土台は国民が親密であることにある。国交正常化から42年を経た現在、中日交流の重点は「国交」から「社交」、2つの社会の間の交流へと転換する必要がある。「社交」とはつまり、一般人を行動の主体とした深みのある交流である。幅広く親しみある社会の民意を土台としてこそ、中日関係は、長期的で安定した健全な発展を遂げることができる。また中日両国もそうしてこそ、地域さらには世界の平和発展と繁栄、調和に貢献することができる。(編集MA)
「人民網日本語版」2014年9月30日