中国の王毅外交部長(外相)は3日、エジプトのシュクリ外相との会談後の共同記者会見で、イスラエルとパレスチナの衝突の解決に向けて5つの提案を示した。
王部長は「中国はイスラエルとパレスチナの平和の揺るぎない支持者であり、真摯な調停者だ。できるだけ早い停戦実現と和平交渉再開のため、中国側はイスラエルとパレスチナの衝突の解決に関して5つの平和提案を打ち出す」と表明。以下を挙げた。
(1)イスラエル・パレスチナ双方は人々の安全と地域の平和を守る観点から、全面的な停戦を直ちに実現すべきだ。空爆、地上軍事行動、ロケット弾発射を含め停止すべきだ。武力を乱用し、市民に死傷者を出すいかなる行為も受け入れられない。暴力によって暴力を制するいかなるやり方も捨て去らなければならない。
(2)エジプトなどの停戦提案を中国側は支持する。イスラエル・パレスチナは共に武力的手段による一方的な訴えの追求を放棄し、責任ある交渉を通じて、相互安全の実現策を探るとともに、これに向けて必要な保障制度を構築すべきだ。この過程において、イスラエルはガザ地区への封鎖を解除し、拘留中のパレスチナ人を釈放すべきだ。同時に、イスラエルの理にかなった安全保障上の懸念も重視されるべきだ。
(3)イスラエル・パレスチナ衝突の根本的原因はパレスチナ問題の公正で理にかなった解決が長年されていないことにある。中国側は独立・建国というパレスチナの人々の正当な要求と合法的権利を一貫して支持している。イスラエル・パレスチナの関係各方面は和平交渉を揺るがせない戦略的選択とし、互いに善意を示し、できるだけ早く和平交渉を再開すべきだ。和平交渉は同じ方向に向かう必要があり、逆行してはならない。特に和平交渉の決裂による緊張のエスカレートや対立の激化は避けなければならない。
(4)イスラエル・パレスチナ衝突は世界の平和と安全に関わる。国連安保理はイスラエル・パレスチナ衝突の解決のために必要な責任を担い、できるだけ早く共通認識を形成し、しかるべき役割を発揮すべきだ。国際社会は互いに歩調を合わせ、イスラエル・パレスチナ和平を推進する合力を形成する必要がある。
(5)パレスチナ、特にガザ地区の人道状況を強く重視し、かつ効果的に緩和する。国際社会は直ちに必要な支援をすべきだ。中国側はガザの人々に150万ドルの緊急人道支援金を提供する。中国赤十字も人道支援を行った。
王部長は「中国は国際社会と共に、イスラエル・パレスチナ衝突終結のために貢献したい」と表明した。
シュクリ外相は王部長の提案を高く称賛。「中国側の立場はエジプト側の努力と方向性が一致している。国際社会は中国の声を歓迎し、パレスチナ・イスラエル衝突の解決に中国が重要な役割を発揮することを期待しているはずだ」と表明した。(編集NA)
「人民網日本語版」2014年8月4日 |