第5回新中日友好21世紀委員会の非公式会合が、6月5日から6日にかけて長崎で開催された。中国側委員である中国外文出版発行事業局の周明偉局長がスピーチを行い、現在の局面が形成された原因を分析し、中日関係の改善策を提案した。
周局長のスピーチの要点は次の通り。
中日関係の現状は非常に懸念すべきものとなっている。特に昨年より、両国の民間交流に多くの新しい努力が見られてはいるが、歴史、領土主権、安全などの問題においては、亀裂がさらに深まっている。日本の中国侵略の歴史的事実、第二次世界大戦の勝利の成果が蹂躙されており、民間の相互信頼関係が弱まり、安全および危機管理における問題が深刻化している。中日は世界2位・3位の経済国であり、両国の国交が正常化してから40年以上が経過する。二国間関係の相互依存性には、この間に大きな変化が生じた。それでは歴史・領土問題が依然として中日の対立の主役であることには、一体どのような原因があるのだろうか?
中日は経済・貿易、人文交流、相互信頼関係、安全枠組み、環境問題などの面で多くの解決すべき問題を持つ。しかし日本、特に日本の指導者は、日本人にも深刻な傷をもたらした中国侵略戦争という歴史の最も深い傷口を選び、これに塩を塗り何度も刺激している。また日本は最もナショナリズムを煽りやすいが、短期間内には根本的な解決が不可能な釣魚島(日本名・尖閣諸島)問題を「火遊び」の場として選択した。
中日関係の正常化以来の経験によると、歴史・領土問題を適切に処理できれば、理論的には両国の対立と不一致を回避できることが分かる。しかし日本はなぜこの最も敏感かつ複雑な二つの問題を選び、二国間関係を刺激し、両国の正常な関係の発展を妨害・破壊しようとするのだろうか?
現在の局面が形成されたことには、主に二つの原因がある。
(一)日本の一部の人の、中国の過去30数年に渡る変化に対する理解と認識には、深刻なズレが存在する。ある人は冷戦の発想にとらわれており、体は21世紀に入りながらも、その観念は依然として冷戦時代にとどまっている。中国の発展を受け入れず、理解せず、これを認めもしないばかりか、さらには邪悪なものとして扱っている。特に中国のGDPが日本を抜き、世界2位の経済国になると、日本の極端な勢力の反応は非理性的になり、コントロールを失った。彼らは中国を刺激し、国際的なイメージを損ねる話題を探し、中国の急速な進歩と発展によって生じた国際的な影響力の変化を貶めている。
(二)日本がこの時期に歴史・領土主権問題を引き起こした目的は、問題の解決にはない。日本国内と国際社会において、中国をライバルもしくは敵国とし、改憲・強軍・軍拡を実現することがその目的だ。日本の指導者はこの1年間で、かつて稀に見る形式により40数カ国を相次いで訪問した。そしてそのほとんどの国で、中国と中日関係について論じた。これは日本が現在、中国を中心とする外交政策に取り組み、中国包囲の姿勢を示し、国際社会において日本が直面する敵を作り、それにより改憲・強軍・軍拡を実現する理由としている印象を与える。
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