軍事医学科学院が発表した情報によると、世界的なウイルス学専門誌「Journal of Virology」(電子版)はこのほど、中国軍事医学科学院・軍事獣医研究所研究員の涂長春氏の共同研究チームによる、コウモリのウイルスに関する最新の研究成果を掲載した。同チームは雲南省のコウモリの体内から、新型伝染性非典型肺炎コロナウイルスを発見した。ゲノム解析と抗原性分析の結果、同ウイルスがヒトに感染する能力を持つことが明らかになった。同ウイルスはSARSの「先祖」もしくは「親戚」である可能性が高く、その感染源の究明に重要なデータを提供した。人民日報が伝えた。
SARSは新型コロナウイルスにより発症し、2003年に世界で流行した。この11年間に渡り、科学界はコウモリからさまざまなコロナウイルスを発見し、コウモリをその自然宿主として認定するに至ったが、ヒト感染の能力に関する証拠が見つからず、ウイルスの遺伝子構造にも大きな差があった。
同チームは雲南省のコウモリの体内から、初めて新型肝炎ウイルスを発見し、「コウモリ肝炎ウイルス」と命名し、この新型ウイルスの遺伝の多様性を解明した。また世界で初めてコウモリから2種類の新型ロタウイルスを分離し、ゲノム解析を実施した。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年6月12日
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