復旦大学法学院の◆(「龍」の下に「共」)柏華教授は、「これまでに挙げられた問題をめぐり、中国にはなお上訴する余地がある」とした上で、次のように述べた。WTOの紛争処理メカニズムには「道理を説く」という機能があり、当事者はルールに基づいて証拠を提出し、条約を解釈しなければならない。もちろん、専門家チームがこうしたルールを運用する場合に偏りが生じたり、客観的にみて「不公正」になったりすることがあり、そうした場合には上訴機関に不公正さをしっかり取り締まってもらう必要がある。また別の側面からみると、上訴して勝つ勝たないにかかわらず、中国がプロセスを完走するには1年から2年に及ぶ政策調整の時間が必要だ。
劉主任によると、個人的には上訴して権利の保護を一層強化するべきだと考えている。上訴機関は「法律を審査するだけで事実を審査するものではない」ため、中国側が逆転する可能性は大きくない。だが行動を起こして基本的な権利をめぐって戦い、中国側の態度を明らかにし続ける必要がある。WTOでの案件は国内での案件とは異なり、勝敗そのものだけに意義があるわけではない。専門家チームの報告書は一審判決に過ぎないが、上訴しなければ判決に従ったとみなされる。これはまた違った視点であり、区別しなければならない点だ。
ある業界関係者の指摘によると、中国側は引き続き戦わなければならない。判定がどうなるか保証できる人はおらず、結果そのものより、中国が責任ある貿易大国およびWTO加盟国として今回のプロセスに参与することにこそ意義がある。これは自国の権利を保護する姿勢の現れであり、多国間の紛争処理メカニズム・ルールをめぐる重要な問題の責任をはっきりさせることでもある。
一審で敗訴した上、米国に上訴の追い打ちをかけられることは、案件の訴訟プロセスの枠外のことだ。劉主任によると、中国がレアアース案件で敗訴した原因は、国内の管理措置が目標を達成しておらず、他国に攻撃の口実を与えてしまっていることにある。国内の管理体制についてよく考え、法律の制定では協調性と統一性を求め、中欧政府と地方政府の政策制定をより精密にする必要があるという。◆教授も、中国が経済発展と環境保護との関係をどのように処理するか。経済発展を遂げた地方の利益と国の発展という全体的な利益をどのように処理するか。輸出の奨励と輸出の管理の問題をどのように処理するか。これらはいずれもよくよく考えるべき問題だという。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年4月17日
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