レアアース(希土類)の輸出政策をめぐって、中国と米国の貿易訴訟戦が熱を帯びている。ある確かなルートからの情報によると、米国側は勝利の果実を大きなものにし、中国側を受け身の状態にするため、世界貿易機関(WTO)に上訴を提出し、一方、中国側は応戦の準備を積極的に進め、近日中にも上訴を提出する見込みという。「経済参考報」が伝えた。
WTOは本部があるスイス・ジュネーブで現地時間の3月26日、米国、欧州連合(EU)、日本が中国のレアアース、タングステン、モリブデンの関連製品の輸出管理措置を訴えた案件での専門家チームによる報告書を発表し、中国の対象製品の輸出管理措置がWTOルールに違反していると判定した。WTOルールに照らせば、同報告書が発表されてから60日以内であれば、原告側も被告側も上訴を提出することができる。
ある業界関係者は次のように話す。最近、商務部(商務省)が数回にわたって弁護士や業界の専門家を招集して内部会議を開き、上訴の可能性や具体的な戦略を検討した。業界ではこの専門家チームによる報告書の判定には差別的な側面があるという見方が一般的で、上訴を支持する声が圧倒的多数を占める。米国側の上訴は中国側をある程度受け身の状態に追いやることは間違いない。中国側はすぐに対抗して上訴を提出する必要がある。米国側が中国側に準備する十分な時間を与えないようにしていることは確かだ。
中国レアアース協会の関係者によると、レアアース案件で敗訴した後、同協会は企業と専門家を組織して、今回の判定が業界にもたらす可能性のある影響を評価すると同時に、商務部と何度も検討を重ね、対応措置を準備してきた。国内のある大手レアアース集団の上層部が電話取材に答える中で述べたところによると、企業の側からみて最も心配なことは、レアアースバブルが崩壊した後、業界全体が低迷し、輸出も落ち込むこと、また敗訴によってレアアースの輸出管理政策が取り消されて、レアアース価格が継続的に値下がりし、業界にとっては「泣き面に蜂」の事態になる可能性があることだという。
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