世界中の注目を集めているマレーシア航空MH370便の交信が途絶えてから、すでに30数日が経過している。中国と各国はハイテクの手段により捜索と探査を進めているが、いかなる破片も見つからないという困難な局面に陥っている。中国電子科技集団公司第十一研究所所長、研究員の章正宇氏は8日夜、「海洋の捜索を実現するためには、さまざまな手段を結び付ける必要がある。今後の捜索は主に、水中ロボットと水中捜索設備を活用することになる」と表明した。人民網が伝えた。
章氏によると、不明機の捜索は主に、海面漂流物、水中のブラックボックス、水中のその他の残骸という三つの目標物に絞られる。章氏は、「三つの目標物のうち一つが見つかれば、事件の解決の突破口が生まれ、不明機の捜索の問題が解消される」と指摘した。三つの目標物の捜索は、主に衛星写真、航空機の捜索、水中捜索の三つの手段によって実現される。
現在はすでに第二段階の「水中捜索」に移っており、艦載設備による捜索が進められている。艦船のソナーは、大体の識別と位置測定しかできない。今後はさらに水中ロボットを使い、目標物に接近し特徴を調べ、最終的に識別と位置測定を行い、引き揚げ作業に移る。
章氏は、「しかしこの際に、目標物に近づき識別・位置測定ができるかが難題となり、いくつかの要素が重要になってくる」と述べ、次のように分析した。(1)ブラックボックスが稼働しているか否か。稼働していれば、その信号に基づく位置測定が可能で、捜索と識別が容易になる。(2)水中ロボットの種類・機能・航続時間。(3)残骸の破片の状況と、搭載装置の捜索手段。ブラックボックスの電源が失われると、水中のその他の残骸を調べるしかなくなる。そのためには、装置を搭載した水中ロボットが必要だ。アクティブソナーは現在の水中捜索の重要な手段であるが、未知の海域における残骸の場合、高周波ソナーにより目標物の識別・確認は困難で、大きな干渉を受ける。光学・レーザー設備を使用すれば、識別は容易になる。(4)潜水艇の情報自主処理能力、情報識別能力、無線通信能力。これは識別と位置測定を実現するスピードにとって極めて重要だ。
章氏は、「ブラックボックスの信号を初歩的に識別し、その位置を測定し、水中調査を強化すると同時に、航空機による関連海域の残骸の捜索も諦めてはならない」と補足した。
章氏は、「中国は携帯型のソナーにより当該海域で最も早く信号をキャッチし、捜索活動の最前線に立った。中国により高解像度の衛星、曳航ソナー、水中ロボット、合成開口ソナー、レーザー水中画像化設備などの高性能設備があれば、重大航空事件の捜索活動の効率が高くなり、ブラックボックスの位置測定が正確になり、不明機の位置測定が早くなり、真相をより早く把握できるだろう。マレーシア航空の事件から、中国のハイテク設備の技術水準の改善、活用の促進にさらに取り組めることが分かる」と語った。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年4月11日
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