ボアオ・アジアフォーラムの2014年度年次総会の理事対話が9日午後に行われ、注目を集めた。今回の対話のテーマは「アジア経済展望2014」で、参加者からアジア経済発展の見通しに期待する声が次々に上がった。人民日報が伝えた。
同フォーラムの副理事長を務める中国の曽培炎首席代表は理事対話で、現在の世界経済情勢および中国経済情勢に対する見通しを発表し、アジアと新興経済体で危機が発生する可能性は低く、中国は今後5年間は7-8%の経済成長率を達成できるとの見方を示した。
曽副理事長は次のように指摘した。1997年のアジア金融危機に比べ、現在のアジアの新興経済体は打撃に対する抵抗力が目立って向上している。多くの国は柔軟な相場制度を採用し、積み上がった矛盾点が相場の変動を通じて解消されている。アジア地域は金融を安定させるメカニズムを構築し、相互に支援し合う力が大幅に強化されている。全体として、アジアと新興経済体に危機が発生する可能性は低いといえるが、米国の量的緩和政策の縮小による不確定性の問題が引き続き存在する。
曽副理事長は中国経済の情勢について、30年に及ぶ高度成長を経て、中国経済はギアチェンジの時期に入り、経済分野の主要任務はモデル転換・バージョンアップと構造調整になった。中国経済がこれまでのような2けたの高度成長を続けることを期待してはならないと述べた。
サウジアラビア基礎産業公社のムハンマド・アルマディ最高経営責任者(CEO)によると、サウジの経済社会の発展は石油の収益による部分が大きいが、経済の多様化も非常に重要だという。
シンガポールのゴー・チョクトン名誉上級相によると、ほとんどの人が中国経済の安定した発展ぶりに注目し、東南アジア諸国連合(ASEAN)の経済にはあまり注目が集まっていない。今後2年間のASEANの見通しはまずまずで、欧州経済が継続的に落ち込むということがなければ、米国と同じように回復に転じるとみられる。中国の経済成長が好調であれば、ASEANも好調になるという。
アジア開発銀行タイ駐在事務所の首席駐在員によると、アジアの経済成長の見通しではリスクが低下し、リスク自体も抑制が可能なものになった。米国の量的緩和をはじめとする通貨政策の調整が金融市場に衝撃を与える可能性があるが、そのマイナス影響は欧州などのより温和で積極的な通貨政策によって相殺される見込みという。
アジア開発銀行は今月1日に発表した「アジア経済見通し2014年版」で、アジアの発展では経済が緩やかな成長を続け、経済成長率は13年の6.1%が14年は6.2%になり、15年はさらに6.4%になるとの見通しを示した。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年4月10日
|