一夜明けると、自動販売機の飲み物の価格は、120円から130円に上がっていた。東京のタクシー初乗料金も、710円から730円になった。
4月1日、日本人全員に、17年ぶりの消費税増税(5%から8%)という新しい時代が訪れた。
3月31日午後、東京都江戸川区の主婦・吉川さんは、自宅とスーパーの間を自転車で5回往復し、米5袋、インスタントラーメン3箱、しょうゆ10本、トイレットペーパー20個を買い、計20万円使った。彼女は、「翌日の4月1日に買えば、支出が6千円増える羽目になった」と家計簿を眺めながら話した。
日本では、このような現象は「増税直前の駆け込み購入」と呼ばれている。
○消費税増税が日中経済貿易関係に及ぼす影響
日本に留学中のある中国人男性は、「人民元の対円レートが引き続き上昇しているため、消費税引上げによって相殺される部分も出てくる」と話す。
友人から日本製品を代理で購入してほしいと時々頼まれるという同男性は、「ほとんどの中国人は、日本の消費税引上げについて知らない。代理購入を依頼される品物は、スキンケア製品や洋服が多く、価格総額がそれほど高くないため、どれほど影響が及ぶのかは、まだ分からない」と語る。
「90後(1990年代生まれ)」の留学生・頼芬(仮名)さんは、微信(ウェイボー)を利用して代理購入を行っている。彼女は1週間前、4月1日から消費税が引上げられることを告知、「商品は数量限定、セール期間はわずか1週間、早い者勝ち!」と販促のメッセージを掲載した。
淘宝網に出店している日本の代理購入業者は、「すでに在庫のある商品については、値上げしない。だが、4月以降の入荷分については、増税分の値上げを行う」と話した。
対日貿易の最前線で全力を尽くしている中国企業も、利益の圧力をひしひしと感じている。安徽省服装進出口(輸出入)有限公司日本部の孟卓・経理は、「弊社の対日アパレル輸出量は、安徽省全体の3分の1のシェアを占め、年間輸出額は約2千万ドル(約20億6400万円)に上る。日本の消費税引上げ後、中国の輸出業者は、価格面で1%から3%の利益減を覚悟しなければならないだろう。というのも、日本企業は、増税分を負担しなければならないことや販路が厳しくなるなどの理由で、中国製品の値下げを求めてくるからだ」と指摘した。
福州黒金剛日用品有限公司は、日本への輸出が輸出全体の約6割を占める。同社の担当者は、「消費税の引き上げが、会社全体の利益減に直接つながるとは思えない。だが、顧客と商談する際に、顧客のニーズを可能な限り満たし、取引を成立させたい」と語った。
対日輸出企業のうち、日本市場以外で業績を上げている業界を除き大多数が、アパレルや生活用品など供給過多の伝統的業界だ。彼らにとって、日本の消費税増税による利益減という問題から逃れる術は、今のところないようだ。(編集KM)
「人民網日本語版」2014年4月2日
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