マクロデータに集中的な下ぶれ傾向がみえたことには内部の原因と外部の原因がある。内部の原因をみると、構造的な経済成長により需要の伸びが鈍化し、政府の反腐敗への力強い取り組みにより一連の「ゆがんだ」消費や投資活動が下火になった。みるべき点は、こうした動きは中国の経済が健全な質の高い成長に向かうことの現れだという点だ。
外部の原因をみると、外部需要の弱まりが国内の過剰な生産能力の矛盾を激化させた。初めてグローバル産業チェーンに加わった時、中国の生産能力の40%以上が海外市場向けだったが、最近は日本や欧州連合(EU)などの市場で需要の伸びがゆっくりになり、伸びが低下したところもあり、これに米国の量的金融緩和政策の縮小による新興市場経済への打撃も加わって、需要の伸びが力不足に陥っている。
▽内部市場をよりどころに苦境を脱出
1-2月のデータを踏まえて、米金融サービス大手のJPモルガン・チェースは中国の今年1-3月の国内総生産(GDP)増加率予測値を7.2%から6.2%に下方修正すると同時に、14年の予測値を7.4%から7.2%に引き下げた。
桑院長によると、当面の情勢判断に基づけば、7.5%という成長ペースを維持することが一番の任務ではない。中国は高度成長を経て構造的な経済のモデル転換の必要に迫られており、深刻な環境汚染が国民の生活にかなりの影響を及ぼしている。現在の筆頭任務は経済構造を調整し、過剰な遅れた生産能力を淘汰することで、多くの企業が生き残りをかけて大きな圧力を受けることになるという。
輸出が直面する複雑な環境は、中国の経済成長が引き続き国内市場に足場を置くべきであることを示している。馬マクロアナリストによると、米国と欧州にははっきりとした回復の兆しがみえるが、中国の経済成長に対する牽引効果は判断が難しい。米国の製造業は米国内に回帰し、輸出入データをみると、欧米市場の繁栄ぶりと中国の経済成長との関連は昔ほど密接なものではなくなっている。李克強総理は両会(全国人民代表大会と全国政協会議)で、今年は大規模な経済活性化政策はうち出さない方針を暗に示したが、構造調整によってより多くの資本がインフラ建設、社会保障対策としての住宅、環境保護などの分野に流れるよう誘導する方針であり、投資には引き続き大きな発展の可能性があるといえるという。
また目下の通貨政策は昨年第4四半期より緩やかになっている。馬マクロアナリストは、銀行間市場の取引金利は昨年より2-3%低く、流動性の緩和は金融機関の資金コストが低下したことを物語るとし、一連のプロジェクトは貸出を受けることがより容易になり、一連の産業の需要が後押しされるとの見込みを示す。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年3月19日
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