日本は自然資源の不足した国だ。1970年代から80年代にかけて、日本政府はさまざまな措置を講じてゴミの分別回収制度を制定し、リサイクルに関する法律を制定・改正した。2000年5月には総合的・計画的に廃棄物・リサイクル問題の解決を推進する基本法「循環型社会形成推進基本法」が制定され、2003年3月には「循環型社会形成推進基本計画」が制定された。この枠組みにより、各分野の関連法が整えられるようになった。不要になった家電が正規の業者によって効果的に回収され、合理的に処理されるようになり、循環型リサイクルが実現された。人民日報が伝えた。
企業が環境保護の理念を持つか否かは、不要になった家電の効果的な処理のカギとなる。オフィス用品を生産する富士ゼロックスは、不要になったプリンターと複合機の100%循環型リサイクルの実現に向け取り組んでいる。
記者はこのほど、富士ゼロックスの鈴鹿市のラインを取材した。まず目に入ったのは大型の掲示板で、「資源循環システム」に関する文書が掲載されていた。資源循環システムとは、同社が市場に投入された使用済み製品を回収し、厳格な品質保証体制の中、厳選された部品を閉じた輪の中で循環させるシステムのことだ。循環利用する部品を選ぶことで、環境負荷を下げる新製品を開発することができる。また再利用できなくなった部品を役立つ再生材料に変えることで、汚染物のゼロ排出を実現できる。
清潔な工場内では、多くの女性労働者がマスクと手袋を着用してプリンターを分解し、一部の労働者は取り外された部品を分類していた。完全に壊れて使用不可になった部品は原材料に再資源化されるが、圧倒的多数の部品は新しい製品に直接取り付けられる。同社は最新技術により、金属・プラスチックなどに傷を付けずに、リサイクル可能な部品を洗浄することが可能だ。さらに超音波技術を用い部品の使用寿命を正確に判断し、使用の要求を満たす部品を新製品を組み立てるラインに送り込む。これらの古い部品を使用したプリンターは、完全に新しいプリンターのコスト・販売価格と余り変わらず、性能も完全に一致する。しかし使用済み製品の効果的な利用は、環境保護と資源の循環型リサイクルにとって有利であり、環境保護を重視する消費者から人気を博している。
富士ゼロックスのアセット・リカバリー・ マネジメント部の佐々木貴洋部長は取材に応じた際に、「プリンター部品の使用寿命には、長いものと短いものがある。一部の使用寿命の短い部品を交換する場合、寿命の長い部品は使用を続けられる」と語った。企業にとって、使用済みの設備はゴミではなく、非常に貴重な資源である。同社は現在、日本国内でプリンター・複合機の99.9%の部品を再利用しており、中国の工場でも99.7%の部品を再利用している。同社は「100%資源化、ゼロ廃棄」の目標に向かい、取り組みを続けている。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年2月18日
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