中国を代表する観光名所で、ユネスコの世界遺産(文化遺産)にもなっている北京の故宮博物院は今年から、毎週月曜日が休館日となった。定期的な点検やメンテナンスを行うのがねらいだ。ただし、法定の祝祭日や夏休み期間中(7月1日-8月31日)は月曜日も営業する。人民日報が報じた。
同地は平日でも観光客でにぎわっているものの、休館日となった6日は静まり返り、スタッフらだけが整然と作業するという、見慣れない光景となった。
貴重な休館日に、故宮の中心を構成する建造物・太和殿のメンテナンスが行われた。これまでスタッフらは、開館前の短時間で、「金磚」と称される煉瓦や周囲に6本の瀝粉蟠竜金柱が用いられている王座、玉座周囲に設置されている香炉や鶴などのメンテナンスを行わなければならず、手入れが行き届かないというのが現状だった。しかし、1日休みになると、スタッフらは落ち着いて細かなところまで手入れができるようになった。例えば、王座には透かし彫りが施されているほか、9頭の龍が彫刻されておりその造りは精巧で複雑。特に注意が要される部分は、スタッフが刷毛や掃除機、さらには綿棒などで表面のホコリを取り除き、王座は「輝き」を取り戻した。
同博物院の単霽翔・院長は、「休館日は故宮にとって貴重な時間。我々スタッフもゆっくり『充電』することができる。公開されている建筑物や文化遺産も一休みできる。また、セキュリティ部門のスタッフは休館日を利用して、公開されている区域の施設の点検などを実施できる。さらに、文化遺産の専門家は、誰にも邪魔されずに、メンテナンスを行うことができる」と休館日の意義を語っている。
閉館日の設置は、国務院が今年4月に承認した「平安故宮」プロジェクトの一環で、古い建築物や文化遺産の安全や健全な状態を保ち、観光客によりよい環境を提供することが期待されている。単院長によると、同博物院設立90周年を迎える来年2015年までに、防火や防盗、防雷、防振、将棋倒し防止などの分野の安全を強化するほか、紫禁城が建設600周年を迎える2020年までに、同博物院を安全で健全な状態にし、管理やサービスの水準を全面的に向上することで、世界一流の博物館にしたい考えだ。(編集KN)
「人民網日本語版」2014年1月7日
|