中国社会科学院(社会科学アカデミー)の李揚副院長が23日に北京で行われた国際シンポジウム「中国国家資産負債表分析」で述べたところによると、ある試算によれば、2012年の中国の債務規模は111兆6千億元に上り、同年の国内総生産(GDP)の215%に当たるという。李副院長は、このデータから中国社会は全体としてレバレッジ率が高くなっていること、デレバレッジに向かうことは不可避であることがわかると強調する。中国新聞網が伝えた。
同シンポでは、社会科学院の「中国国家資産負債表研究」課題チームが、最新の研究成果の報告書「中国国家資産負債表2013」を発表した。
同報告書によると、12年末現在、住宅部門の貸付残高は16兆1千億元に上り、対GDP比は31%。非金融企業部門の債務残高は58兆6700億元で、対GDP比は113%。中央政府の債務と地方政府の債務を合わせると、12年末時点の政府債務残高は27兆7千億元で、対GDPは53%。金融部門は発行した債権の残高を債務とみなした場合、12年末現在の債務残高は9兆1300億元となり、対GDP比は18%になる。
以上4部門を合わせた中国経済全体の債務規模は111兆6千億元に上り、レバレッジ率は215%になる。
李副院長によると、全体をみたところ、中国の債務水準は大多数の発達した経済体よりも低いが、南アフリカを除くBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの新興五カ国を指す)よりは高い。それでもまだ穏やかでコントロール可能な段階にあるという。
李副院長は次のように強調する。中国の債務水準がここ数年来急速に上昇していることを考え、各方面は警戒を怠ってはならない。地方の債務や基準の緩い主権債務を考慮すると、中国政府の(主権)債務は今後大幅に増加し、債務全体の水準を大幅に引き上げる可能性がある。これは決して傍観してはならない事態だ。(編集KS)
「人民網日本語版」2013年12月24日
|