月探査機「嫦娥3号」は12月10日夜、8日間の飛行を経て、月の裏側で減速し月周回軌道に入り、月面着陸の準備段階に入った。科技日報が伝えた。
嫦娥3号は巡視探査機(月面車)と着陸機によって構成される。巡視探査機はこれまで人々の注目を集めてきたが、着陸機については、それほど取り上げられていない。しかし、地球を離れ月に到達し、月面着陸し、最終的に巡視探査機を切り離すまでの過程において、着陸機は最大の功労者となる。本紙記者はこのほど嫦娥3号の誕生地、中国航天科技集団第五研究院を取材し、このあまりよく知られていない着陸機に関する理解を深めた。
◆効果的な「ダイエット」
嫦娥3号の着陸機は、着陸の際の衝撃緩和、誘導・抑制、推進、熱コントロール、測量・抑制データ送信、アンテナ、一次電源、全体回路、ペイロードなどの11のサブシステムに分かれており、300時間以上・数十万キロの飛行、および複雑な着陸、巡視探査機投入などの動作を実現できる。
複雑な設備が搭載されているが、推進剤を除く同着陸機の重量は1トン余りで、一般的な自家用車よりも軽量なほどだ。これは技術者による、効果的な「ダイエット」によるものだ。
推計によると、宇宙に輸送する物資の重量が1キロ増えるたびに、数万ドルのコストが追加される。つまり、着陸機の「ダイエット」は、直接コストの節約になるということだ。そのため着陸機の電子システム、データ管理システムなどは、集約化設計を採用した。材料もマグネシウム合金などの軽い材料を使用し、これだけでも30%の軽量化を実現した。
◆綿密な燃料使用計画
着陸機の自重はそれほど重くないが、燃料はその倍以上の約2.5トンに達する。この燃料は一見したところ多いように思えるが、その使用については綿密に計画されている。
技術者の計画によると、着陸機が月に向かう数十万キロの道のりにおいて、消耗される燃料は50キロ未満で、非常に省エネだ。
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