■注目点
【政府債務】負債がさらに高まれば「持続不可能」に
中国の地方政府の債務は注目を集め続けてきた。国家審計署による全国的な地方政府債務の監査は現在も続けられている。審計署はこれまでに二度にわたって警鐘を鳴らしてきた。同署の通知によると、9省都では、返還義務のある債務の財政に占める割合が100%を超えている。一部の地方では信託やBT(Build Transfer)方式、違法調達などによる様々な融資現象が顕著となっており、一部の地区ではこのような方式で融資された金額が2180億8700元に達した。
李副所長は、来年の経済情勢の分析について説明した際に、「一部の地方政府は負債水準が高く、とりわけここ1、2年は債務増加速度が速い。もしも現在の債務増加が続けば、政府の負債水準はすぐに持続不可能な状態に陥るだろう」と語った。
【金融リスク】銀行の不良債権率が小幅に上昇
李副所長によると、大都市の不動産価格が大幅に上昇している一方、温州やオルドスなどでは不動産価格が下降し、潜在的な貸し倒れや債務不履行が発生しつつあり、銀行のリスクを強めている。
青書によると、今年第3四半期以来、銀行の不良債権率と不良債権残高は小幅に上昇している。今年8月、不良債権率は1.55%で、第2四半期末に比べて0.03ポイント上昇した。不良債権残高は1兆1469億8000万元で、第2四半期末より372億5000万元上昇した。現在、不良債権は主に、鋼材取引業や製造業、小型企業に集中しており、不動産や政府融資プラットホームの貸し付け状況は全体として比較的好調となっている。
【生産力過剰】さまざまな問題の原因に
青書の分析によると、従来型の業種でも新興の業種でも、中国の多くの業種では生産力過剰と生産力不足が共存する問題が広く見られ、生産力過剰はすでに、経済活動の顕著な矛盾と多くの問題の根源となっている。
太陽光発電や風力発電などの戦略的新興産業においても同様に、生産力過剰の問題が存在する。輸出不振などの影響を受け、中国の多結晶シリコンメーカーのうち操業しているのは半分に満たない。
中国は、太陽電池モジュール最大の生産大国になっているが、深刻な生産能力過剰に直面している一方で、大量の多結晶シリコンの輸入を必要としている。ハイエンド医療機器の70%から80%は高価な輸入品や外国ブランドに依存しており、検査費用の高騰につながっている。チップ産業では、中国のチップは90%が輸入に頼っており、毎年の輸入額は石油を上回っている。(編集MA)
「人民網日本語版」2013年12月12日
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