金利の市場化により「銀行離れ」の傾向が緩和されるとみられる。ここ数年来、中国ではシャドーバンキングが爆発的に増加し、これは預金金利の上限の規制と大いに関係があった。銀行の預金金利が低い水準に抑えられ、国民の預金金利は物価水準の伸びを下回る状態が続いてきた。手元の遊んでいる資金を活用するため、人々は市場より金利の高い銀行の個人向け資産管理商品や信託商品を選択するようになった。預金金利の市場化は都市部・農村部住民の資産所得の水準を引き上げる。今年5月末現在、中国の個人預金残高は44兆1700億元に上り、この残高に基づいて計算すると、金利が市場化して1%上昇すれば、預金の利息は一年当たり4417億元増加する。こうして国民の収入は増加し、消費が拡大することになる。
金利の市場化はある国の金融市場化プロセスにおける重要な一歩であり、その過程にはリスクが充ち満ちている。世界銀行の調査研究によると、調査対象の金利市場化を達成した44カ国のうち、約半分が金利市場化の過程で金融危機を生じている。東南アジア、中南米、日本などだ。これらの国では、預金保険制度や金融市場の撤退メカニズムといった関連の改革を進めることが、金利市場の緩やかな推進でカギを握っていた。資金の配分において市場が決定的な役割を果たすようにしたいと考えるなら、中国の国情と実際の発展における要求とを踏まえて一連の重要な金融制度を整えることが必要だ。たとえば、公開の市場操作ツールや金利目標の選択などだ。特に市場化された中央銀行の金利目標を実現し、公開の市場操作の機能と成果の改善を続けることが必要になる。(編集KS)
「人民網日本語版」2013年11月18日
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