資産バブルと物価上昇が今後も持続すれば、これに伴って関連の経済コストも上昇し、貿易に対するマイナス方向の抑制作用を生じ、外需を獲得する力を低下させ、経済のペースに下ぶれ圧力がかかることになる。政府が経済成長の目標達成を保障するため、最も直接的にコントロールできる方法を選択するとすれば、それはインフラ投資を拡大し、国有経済部門の生産力を拡大することだ。こうした情況になれば国内の貯蓄と投資の間の余剰を直接減少させることになる。国民経済の収支では、対外貿易の黒字、貯蓄、投資の間の余剰が均衡を保っている。つまり、投資が拡大すれば対外分野の国際収支が減少し、経済競争力が損なわれ、経済成長が減速の圧力に直面することになるのだ。
これまでのような高度成長を維持したいなら、おそらくまた投資を拡大することになる。だが経済のルールに照らせば、投資を絶えず追加すれば、投資リターンを徐々に低下させ、これに対応して資産の回転ペースが低下し、通貨の利用効率が低下し、流通ペースが減速し、大量の信用資本の回転が徐々に効果を失うことになる。こうなった時、政府はおそらくより多くの通貨を投入し、より高い水準の信用拡大に頼って、一定の経済成長ペースを維持するしか方法はなくなる。
このため近年に形成された投資に過度に依頼した粗放型の経済成長モデルは改めなくてはならない。当面の中国経済に潜在する成長レベルと資本リターン率をしっかりと算定し、認識して、これを土台として、毎年の経済成長の目標とペースを科学的に設定しなければならない。まさに習近平総書記が述べたように、モデルの転換と構造調整こそがわれわれが発展過程で必ず越えなければならないハードルであり、転換と調整には速度を合理的な範囲にコントロールすることが必要になる。そうしなければ、資源、資金、市場などの関係が縛られて身動きの取れないものになり、転換も調整も不可能になる。(編集KS)
「人民網日本語版」2013年11月8日
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