中国社会科学院と中国気象局は4日、共同で「気候変動緑書:気候変動への対応に関する報告(2013)」を発表した。同緑書は、「過去50年、中国では煙霧が増加している。うち、霧の日数は減少しているが、スモッグ発生日数は顕著に増加している。さらに、スモッグ発生の日が続くという現象が増加している」と指摘している。華商報が報じた。
霧が減ってスモッグ発生が増加
統計によると、中国では煙霧の発生と季節に大きな関係がある。1981年から2010年まで、暖候期(4-9月)よりも寒候期(10-3月)のほうがスモッグが発生することが多かった。寒候期の冬にスモッグが発生する日の日数は1年の42.3%を占めている。
1961-2012年の52年間、中国中東部地区(東経100度以東)の年間の煙霧日数は増加の一途をたどっている。煙霧日数が最も多かったのは1980年で計35.8日だった。1980年代以前、同地域の平均霧日数は、スモッグ発生日数の3倍以上だった。しかし、1980年代以降、霧日数が減少する一方、スモッグ発生日数が増加するようになり、その比率が少しずつ縮まった。そして、2011年と12年、スモッグ発生日数が霧日数を超えた。
霧とは、水蒸気を含んだ大気の温度が何らかの理由で下がり露点温度に達した際に、含まれていた水蒸気が小さな水粒となって空中に浮かんだ状態のことだ。つまり、汚染とは関係がない。一方、スモッグとは大気中に粒子状物質が浮遊している状態で、粒子状物質の大きさはマイクログラム単位であることがほとんだ。
煙霧は東部で増加し西部で減少
地域別に見ると、西部よりも東部で煙霧日数が増加している。中国の東北や北西、南西地域の大部分では、煙霧日数が毎年、0-0.5日減少している。また、新疆ウイグル自治区の北部を除くと、西部地域の煙霧日数は年間5日以下だ。一方、華北北京市、天津市、河北省、山西省、山東省、河南省、内蒙古自治区中部)や長江の中流、下流、華南(淮河以南地域)などの地域では、増加傾向にある。うち、珠江デルタや長江デルタなどでは急増しており、広東省の深セン市や江蘇省の南京市は、それぞれ毎年平均4.1日と3.9日増加している。中東部の大部分の地域の煙霧日数は25-100日で、局地的に100日を超えている所もある。
同緑書では、中東部の主な大都市である北京市や石家庄市(河北省)、鄭州市(河南省)、南京市、杭州市(浙江省)、広州市(広東省))の6都市と付近の小都市である遵化市(河北省)や饒陽県(河北省)、西華県(河南省)、高郵市(江蘇省)、慈溪市(浙江省)、増城市(広東省)の6都市の年間スモッグ発生日数の変化が対比されている。同分析を見ると、1970年代中期以前、大都市と小都市の年間スモッグ発生日にそれほど大きな差はない。しかし、1970年代後半以降になると、大都市のスモッグ発生日数が明らかに小都市より多くなり、ほとんど毎年50日を超えている。
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