10月1日、中国で新「観光法」が施行された。その後1カ月も経っていないが、施行前に観光市場で横行していた「格安ツアー」「強制ショッピング」は、ほぼ姿を消した模様だ。中国広播網が伝えた。
業界専門家や関係者は、「新観光法施行後、中国の中小旅行業者は、次第に数が少なくなっている」と口を揃えた。それまでは、多くの中小旅行業者が、格安のツアー代金や利益ゼロ・マイナスのツアー代金で観光客を引きつけていた。利益がゼロあるいはマイナスでは、商売が成り立つ訳がなく、このマイナスを補うのが、観光客をショッピングに強制的に連れて行き、店から仲介料を得るというやり方だった。この強制ショッピングが禁止された新観光法の施行によって、中小旅行業者が生き残るための道が断たれたことになる。
今、2013年中国昆明国際観光交易会が開催されている。今年の交易会には、102カ国・地域が参加、超大手から中小に至るまで、旅行業者も多数出展している。会場には、多くの旅行業者責任者やツアーガイドの姿が見られた。
旅行業者は、「コストを割るような格安ツアーを敢えて売り出すような旅行会社は、今では皆無となった。強制ショッピングによる紹介料収入でツアー代金のコスト割れを補うことが不可能となったことから、ツアー代金の赤字はそのまま会社にダメージとなるため、格安ツアーを出すことなど、もはやあり得ない」と指摘した。
ツアーガイドは、「多くのガイドが、国慶節連休以降、土産物店にツアー客をショッピングに連れて行くことはなくなった。それまでは、ツアー客を観光名所や土産物店に連れていくことで得られる紹介料が、ガイドの重要な収入の一部だったが、この儲けが全くなくなった」と語った。
しかし、我々が注意しなければならないのは、新旅行法ではショッピングの強制は禁止されたが、これは、特定の店舗にツアー客を連れて行くことを禁じているだけで、「ツアー客がショッピングをする時間を確保してはならない」という意味ではない、ということだ。名所の観光を終えて、フリータイムができれば、もちろんツアー客は好きな場所に買物に行くことができる。ただ、ツアーガイドが紹介料を目的として、ツアー客を特定の場所にショッピングに連れて行く行為は禁止されている。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年10月28日
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