毎年9月と10月は中国自動車市場の伝統的な繁忙期とされ、「金九銀十」と呼ばれている。今年も金九銀十は自動車メーカーを失望させることなく、とりわけ日系車は9月に急激な回復ぶりをみせ、最近では自動車業界の話題の中心になっている。日本車メーカーの責任者の中には、回復という言葉はすでに過去のもので、日系車の売り上げは新たなスピードアップの段階に入ったとの見方を示す人もいる。それでは9月の自動車市場を活性化させたカンフル剤は、市場を楽観視する根拠になりうるものだろうか。「新京報」が伝えた。
▽日系6社 販売台数77%増加
中国汽車(自動車)工業協会がこのほど発表したデータによると、2013年9月の自動車販売台数(卸売台数)は193万5800台で、前年同月比19.7%増加し、前月比17.4%増加した。1-9月の累計販売台数は前年同期比12.7%増加して、1588万3千台に達した。
このうち日系ブランド車は大幅に回復して、最も目を引く業績を上げた。13年9月の日系乗用車の販売台数は27万8千台で、市場シェアは17.55%に達した。メーカーが発表したデータによると、トヨタ、日産、本田、マツダ、鈴木、三菱の9月の中国販売台数は前年同月より大幅に増加し、増加幅は20%から100%までさまざまだった。
目を見張る販売データから、日系車が失地を回復し、猛烈な勢いで追撃する様子がうかがえる。ただその原因を考えると、昨年同月には政治的な混乱によって日系車の中国販売台数が「氷点下」まで冷え込んだため、今年9月のデータは比較の対象となる前年同月の数値が低かったということが挙げられる。
▽販売増加に対する政策の影響は明らか
東風日産北京大エリアの関連部門責任者によると、今年9月には一昨年の通常の水準まで業績が回復した。昨年9月は特殊な月だったと考えられることから、今年の前年同月比増加率をみて市場を楽観視してはならない。東風日産の場合、エコカー補助金政策の変化を受けて、自動車購入を計画していた人々の消費力が放出されたことが、9月の販売増加をもたらした大きな原因だという。
エコカー補助金政策は10年6月にスタートし、国の3つの部門・委員会が多くの車種を組み込んだエコカー普及リストをうち出した。当時確定された補助金支給の対象は、排気量1.6リットル以下で燃費が100キロメートルあたり6.9リットルを下回る自動車で、購入に際して1台あたり3千元の補助金が支給された。11年10月から適用された支給基準ではハードルが大幅に引き上げられ、燃費が同6.3リットル以下とされた。こうして技術的な問題によって、支給の対象はそれまでの420車種のわずか11.5%に過ぎない49車種へと激減した。
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