二、日本は北米からのシェールガス輸入を口実に、太平洋海域での軍事的プレゼンスを強化する。日本としては米国やカナダからシェールガスを輸入するには太平洋を横断しなければならず、太平洋海域でのタンカーの安全確保を名目に、機に乗じて太平洋海域の島嶼でレーダーなど通信傍受施設を強化することができる。そしてこれには「一石三鳥」の効果がある。第1に、太平洋海域で不測の事態が起きうることを口実に、現在急いでいる集団的自衛権の行使容認に最適かつ十分の理由を得ることができる。第2に、太平洋の重要航路はかねてより米海軍の「勢力範囲」であり、日米同盟の強化につながる。第3に、中国の正常な太平洋進出を折良く抑止することができる。10月6日に日本の小野寺五典防衛相は日本本土から遠く離れた、太平洋海域の要衝--硫黄島を視察。太平洋に進出する周辺国の艦船や航空機に対する監視を強化するため、硫黄島に通信傍受施設を速やかに建設する必要があると表明した。
三、日本がエネルギー外交戦略の重点を北米地域に置いた場合、太平洋海域は「太平でなくなる」だろう。日米が各々の「理由」に基づき「太平洋」を日米共同の「勢力範囲」と見なせば、アジア太平洋地域の安寧は深刻に脅かされる。10月5日に日本の岸田文雄外相はAPEC外相会議で「域内の航行の自由の確保」に言及した。いわゆる「域内の航行の自由の確保」とは、実は排他的な「日本自身の航行の自由」の確保であり、太平洋海域について言えば日本と米国の航行の自由を第一に確保することだ。だが実際には、広大な太平洋の大部分は公海であり、他のどの国も国際法の前提に合致する航行の権利と自由を有するのである。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年10月17日
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