日本のエネルギー外交戦略は新たな「十字路」に立っている。筆者のこの見解は、いささか唐突に聞こえるかも知れないが、これは誰であろうと自らを取り巻く情勢にあらがうことはできないからであり、日本のエネルギー戦略が転換期を迎えていることは間違いない。(文:厖中鵬<中国社会科学院日本研究所>。環球時報掲載)
10月13日夜、東京の国会議事堂の周囲で約4万人の市民が日本政府の原発再稼働計画に抗議し、「原発ゼロ社会」の実現を求めるデモを行った。これに先立ち9月15日夜には、日本国内で唯一稼働していた大飯原発4号機(福井県おおい町)が定期検査のため停止し、日本は当面の間「原発ゼロ」状態に入った。日本は「原発ゼロ」のまま今年の冬を越すことになる可能性が非常に高い。
日本の一般市民が原発に強く反対し、「原発ゼロ」を支持する姿勢を鮮明にしているのと比べ、安倍内閣にとって「原発ゼロ」は実のところ苦渋に満ちた、やむを得ないものだ。「原発ゼロ」は火力発電に再び依存しなければならないことを意味する。そして石油や天然ガスを欠く日本のような国にとって、火力発電は重い負担となる。石油や天然ガスを海外から大量に輸入しなければ、経済と社会の正常な運営を支えるための燃料を確保できないからだ。
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