日本時間10月12日早朝、日本を含む30数カ国の放射能汚染問題専門家チームによって構成される、原始放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)は国連総会第四委員会に対して、東京電力福島第一原発の重大な放射能汚染事故の処理状況に関する報告書を提出した。UNSCEARは同報告書の中で、「東電の検査方法と内容などの不備により、福島原発事故で作業員の内部被曝の可能性が、約20%低く見積もられている」と指摘した。光明日報が伝えた。
科学的な実験により、放射性ヨウ素が体内に入ると甲状腺に蓄積しやすく、発がんのリスクが大幅に高まることが証明されている。UNSCEARは、2012年10月までに福島第一原発で作業した約2万5000人の検査記録などを調査した。調査結果によると、東電は作業員の内部被曝を検査する際に、半減期が約8日の放射性ヨウ素131の検査のみを実施し、半減期が約20時間の放射性ヨウ素133などの物質が作業員の健康に与える影響を見落としていた。これにより作業員の内部被曝が著しく過小評価されたという。
2011年3月に福島第一原発で人類の歴史上まれに見ぬ原発事故が発生すると、日本政府と東電は事故調査・処理の過程において隠蔽や口からでまかせを続け、国際社会から批判を浴びた。
今年8月に福島第一原発の地上貯水槽の破損により、300トンの高濃度汚染水が漏出した。しかしこの重大事故がメディアに報じられてから間もなく、安倍晋三首相は東京の夏季オリンピック招致を応援するため、国際オリンピック委員会の加盟国代表者に対して、「福島第一原発の汚染水問題はすでにコントロールされており、汚染水の影響は完全に港湾から0.3平方キロの範囲内にブロックされている」と胸を叩いて述べた。
安倍首相の発言後、東電は9月24日に、汚染水漏れが発生した貯水槽付近の観測井戸内で、地下水のトリチウムの濃度が1リットル当たり15万ベクレルに達し、法定基準の6万ベクレルを大幅に上回ったと発表した。東電は9月26日に情報を発表し、福島第一原発の港湾内の5・6号基の放水口付近で、放射性物質の拡散を防ぐため設置されている水中の防護柵に破損が生じ、放射性物質が拡散した可能性があるとした。
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