■キーワード3「重点は近隣地域」
李総理は先日、中国・ASEAN博覧会開幕式で「近隣地域は常に中国外交の重点だ」と述べた。今年7月には王毅外交部長(外相)がASEAN外相会議で「中国は引き続き近隣を外交の優先対象とする」と述べた。中国は世界で最も隣国の多い国だ。非常に長い陸海の国境線を持ち、複数の国と陸上で国境を接し、あるいは海を隔てて相望み、複雑な近隣国情勢が中国外交の戦略と実力を試し続けている。このため一貫して「近隣国と親しくし、近隣国をパートナーとする」近隣外交戦略を遂行している。
習主席は9月に中央アジア4カ国を訪問し、G20サミットと上海協力機構サミットに出席した。ドイチェ・ヴェレのウェブサイトはこれについて「アフガニスタンからの軍撤退後に起こりうる社会的動揺の中国西部地域への波及」に対処するものと指摘した。ナザルバエフ大学での講演で習主席は30億人に恩恵の及ぶ「シルクロード経済ベルト」を構築し、エネルギー協力、物流網をアップグレードするとともに、自国通貨決済を推進することを提言した。英王立防衛安全保障研究所(RUSI)の専門家は「地域の民族問題の解決には新疆の繁栄が必要だ。そして新疆の繁栄には貿易関係の活発な地域が必要だ」と指摘した。
中印関係は長年「龍と象の争い」とされてきた。今年4月の中印「テント対峙」でも人々は手に汗を握った。だが5月、李総理は就任後初の訪問国にインドを選んだ。この「相互信頼強化の旅、協力深化の旅」で、発展途上の両大国は両手を強く握った。「私は13億人を代表して12億人に挨拶する」「中印は協力パートナーであり、競争相手ではない」。これは中国外交の度量を示すものだ。
香港中国通信社は「中国の活発な近隣外交はかつての『反応式外交』と別れを告げたことを意味している」「北京大学南アジア研究センターの姜景奎センター長は『中国外交はもう西側に重点を置かない。中国大外交は斬新な外交戦略配置から始まった』と語る」と報じた。
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