▽ネガティブリスト管理を実施
ネガティブリストとは、投資家に何ができないかを教えるものだ。リストになく、規定が設けられていないことであれば、何でも取り組むことができる。
中国資本企業が同試験区に積極的に進出するだけでなく、外資系企業も進出に強い意欲を示す。すでにシンガポールのシュタインウェーググループ、タイのCPグループ、フィリップスメディカルなど20社を超える企業がすでに進出計画を立てている。
世界の先例を踏まえて、同試験区は投資分野における市場参入、外資系企業の内国民待遇、業務の経営、投資サービスなどの面で高度に開放され緩和された投資・ビジネス環境を創出する見込みだ。
同試験区で実施される投資管理制度の改革は主に、ネガティブリストに基づく管理、外資系企業の投資管理制度の改革、海外の投資家管理の改革、商業登録制度の改革の4方面に体現されている。このうちネガティブリスト管理は重要な突破口の一つだ。肖院長は、「これまでの投資管理では、投資家に何ができるかを教え、できることをリストアップして投資の手引としていた。ネガティブリスト管理は、投資家に何ができないかを教え、できないことを列挙したリストであり、リストにないことで、規定が設けられていないことであれば、何でも取り組むことができる」と話す。
上海WTO(世界貿易機関)事務コンサルティングセンターの王新奎総裁(上海市政府参事室主任)によると、同試験区のネガティブリストが短時間で徹底的に定着することはあり得ず、将来的にはネガティブリストによる管理とポジティブリストによる管理を融合した方法が取られる可能性があるという。
ネガティブリスト管理は新しい模索であり、どのように実施するかは今後模索していくことになる。
▽金融分野の開放・刷新に重要な突破口
同試験区では、全国に先駆けて金利やレートの市場化、資本項目における自由両替、金融市場の開放などが試験的に行われる。
同試験区がまだプレートを授与されていない時、金融機関はすでに活発な動きをみせていた。
上海浦東発展銀行は朱玉辰頭取をリーダーとする課題チームを他行に先駆けて立ち上げ、初めに同試験区に支店を設立することを提案した。また中国工商銀行、中国銀行、中国農業銀行、中国建設銀行、中国交通銀行、招商銀行、上海銀行も支店の設立を申請。華僑銀行をはじめとする外資系企業も積極的に準備を進め、同試験区に切り込むチャンスをうかがう。シティバンク、香港上海銀行(HSBC)、東亜銀行、スタンダードチャータード銀行などの外資行も同試験区でのネットワーク設立を検討中だ。
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