中日の領土問題が日本車の中国販売台数に打撃を与えてから一年後、日本の大型自動車メーカーの9月中国販売台数が前年同月比で急増した。しかし熾烈な競争により、この回復の流れは依然として緩慢になると分析されている。米ウォール・ストリート・ジャーナル誌の10月9日の記事を引用し、環球網が伝えた。
トヨタ、ホンダ、日産は8日、9月の中国自動車販売台数が急増したと発表した。これは前年同月の販売台数が低迷していたためだ。昨年9月、同3社の販売台数は軒並み30%以上減少していた。トヨタの今年1-9月の中国販売台数は前年同期比0.5%減、日産は0.2%増、ホンダは5.8%増となった。とはいえ、季節的もしくはその他の理解可能な要因による影響がなかった中、日本3大自動車メーカーの中国販売台数はこの1年間で初めて、前年同月比で急増を実現した。
中国人消費者の興味を引き付けるため、日本自動車メーカーは近年一連の措置を講じ販促につなげてきた。例えばより安価な車種の発売により、それほど豊かでない内陸部の都市の消費者を引きつけ、同時にアフターサービスを強化している。調査会社LMC Automotiveの市場研究担当の曾志凌(John Zeng)氏は、「日本自動車メーカーの販売台数は正常化しつつある。昨年第4四半期の販売台数が低迷していたことから、今後数カ月はこの流れが続くだろう」と分析した。
しかし曾氏はまた、「熾烈な競争により、この回復の流れは依然として緩慢になる。中日の領土問題が短期間内に解決される兆しは見えておらず、日本自動車メーカーは中国市場で慎重な戦略をとり続ける。同時に独・米メーカーが投資を拡大中で、日本メーカーにより深刻なプレッシャーをもたらす」と指摘した。
領土問題より先に、日本メーカーの市場シェアは低下を始めていた。日本車は2007年、中国市場で28%のシェアを占めていた。しかしトーマツが中国自動車工業協会のデータを元に計算したところ、この数値は2010年に23%まで低下していた。
経営コンサルティング企業のアリックスパートナーズ中国のIvo Naumann董事総経理は、「日本自動車メーカーの市場シェアは2009年の時点で低下を始めていた。これは生産能力に関する戦略決定の時期を逸したためだ。日本メーカーは当時の中国市場について、完全に誤判断していた。日本メーカーは世界経済が低迷し、中国市場の成長率が非常に緩やかで、5%未満になると予想していた」と語った。
同氏は、「日本メーカーはこの予想に基づき生産能力を調整し、生産能力拡大の余地が5%しか残されなかった。その当時、中国自動車市場は年間40-50%の成長率を実現した。日本メーカーは生産能力の不足により、需要を満たせなかった」と指摘した。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年10月11日
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