2013年度ノーベル文学賞は早くてスウェーデン時間10日午後1時(北京時間午後7時)に発表される。発表の模様はノーベル賞公式サイトで生放送される。英国のブックメーカー、ラドブロークスでは日本の村上春樹氏に再び人気が集まっている。村上氏は長年予想リストの前列にありながら、毎年受賞を逃しており、ノーベル賞史上「最も悲壮な候補者」と呼ぶことができる。京華時報が伝えた。
昨年のラドブロークスのノーベル文学賞受賞者予想では、中国の莫言氏と日本の村上氏がオッズの1位と2位を占め、最終的に莫氏が受賞したことでラドブロークスは大いに名声を高めた。ここ数日のラドブロークスのオッズでは村上氏が再び1番人気となっている。
著名な在日華人作家、毛丹青氏は「ノーベル文学賞の発表が近づくにつれ、日本のテレビ番組では村上氏についての紹介や評論が頻繁に見られるようになっており、村上氏を応援しているような感じをやや受ける」と指摘。毛氏は微博(ウェイボー・ミニブログ)で「NHKは中国大陸部と台湾の留学生の視点から村上文学を高く評価したうえで、村上氏の造語『小確幸』をキーワードとして挙げた」と書いた。
「小確幸」は「小さいけれども確かな幸せ」という意味で、村上氏の随筆で初めて使われ、翻訳者の林少華氏の直訳で現代中国語に取り入れられた。毛氏は以前、村上作品が海外で人気がある理由を分析した際、作品の質に加え、欧米で良い著作権代理人を持つことを挙げ、彼らが大きな役割を発揮していると指摘した。
だが、大江健三郎氏や川端康成氏と比べ、村上氏の作品は平易で分かりやすく、ノーベル賞審査委員の嗜好に合わないと考える文学評論家もいる。近年呼び声が最も高いのに、村上氏がいつも受賞を逃す理由の1つはここにあるのかもしれない。
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