李克強総理はASEAN諸国のメディアの共同インタビューに応じた際、中国とASEANは協力を切り開いた「黄金の10年」を基礎に、新たな戦略的ブレークスルーを図る必要があると指摘。「このためにわれわれは今後10年間の中国・ASEAN間の広範、深いレベル、高水準の協力枠組を提起し、双方協力を新たな段階へと押し上げ、地域の人々により多くの幸福をもたらす」と述べた。
李総理はこの協力枠組目標に関して、双方が取り組むべき重点分野として以下を挙げた。
(1)善隣友好という主軸をしっかりと押さえる。中国はASEAN諸国と善隣友好協力条約の締結を積極的に検討し、戦略面の相互信頼の政治的基礎を固めることを望んでいる。
(2)安全保障分野の交流や協力を強化し、中国・ASEAN防衛相会議制度を整備し、防災・災害救援、サイバーセキュリティ、国際犯罪の取締り、合同取締りなど非伝統的安全保障分野の協力を深化する。
(3)中国・ASEAN自由貿易圏の「アップグレード版」を築き、製品貿易、サービス貿易、投資協力分野で具体的措置を講じ、貿易と投資の円滑化水準を一段と高め、2020年までに貿易総額を1兆ドルにまで増やすとの目標を達成する。
(4)コネクティビティの構築を推し進め、ソフト・ハード両面の連結を強化する。中国はアジアインフラ投資銀行を設立して、ASEAN諸国のインフラ整備を優先的に融資面で支援することを提案する。
(5)金融協力を強化し、新たなリスクに対して共同で防備し、通貨スワップの規模と範囲を拡大し、貿易の自国通貨決済の試行地区を増やし、チェンマイ・イニシアティブのマルチ化における協力を強化する。
(6)海上協力パートナーシップを発展させ、漁業を始めとする海洋経済、海上コネクティビティ、海洋環境保護、海洋科学研究、海上捜索・救難分野の実務協力を推し進め、21世紀の「海のシルクロード」を共同で建設する。
(7)人的・文化交流を緊密化し、「中国・ASEAN文化協力行動計画」を共同で策定し、文化、教育、シンクタンク、メディア分野の交流を促進する。
李総理は「数日後に私はブルネイへおもむき、ASEAN関連首脳会議に出席する。ASEAN訪問は総理就任後初であり、各国首脳と共通関心事について意見交換すること、特にこの7点について各国の意見を真剣に聞き、中国・ASEAN戦略的パートナーシップの格上げに向けて新たな共通認識を形成することに期待している」と述べた。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年10月9日
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