上海自由貿易区の建設では、制度の刷新と法律による保障がカギになる。制度の刷新とは、既存の制度・メカニズムの打破と再構築を意味する。一方では既存の制度や法律による上海自由貿易区への束縛や制限をうち破る必要があり、また一方では上海自由貿易区の実態に即した各種の制度や法律システムを構築する必要がある。国務院はすでに関連の法律法規が上海自由貿易区で暫定的に停止される問題について、全国人民代表大会常務委員会による審議・決定を受けている。制度の刷新がもたらす大規模な変革により、政府の管理モデル、サービス意識、法律による保障システム、経済運営メカニズム、活動のルール・方式などが厳しい試練に立ち向かうことを余儀なくされる。制度の刷新が法律による保障という基盤を欠けば、上海自由貿易区が世界と完全につながった総合的な経済貿易運営メカニズムを構築することは困難だ。

新しい制度や法律システムを構築し改善するには、上層部の設計を改善し、世界とつながるよう努力するとともに、基層レベルの模索を推進し、先行的な取り組みやテストを認めなければならない。合理的な配置を行うとともに、リスクを効果的に回避することが必要だ。中国では法治や経済がまだ十分に整っておらず、こうした情況の下では上海自由貿易区の建設を積極的かつ慎重に進め、中国の未来の経済発展と社会主義市場経済の建設に向けて典型となる国際的モデルを提供することが必要だ。現在、上海自由貿易区の建設では、中国経済の発展という大局に着目し、部分と全体との関係、特殊性と普遍性との関係、政策の効果と法治による保障との関係を正確に処理し、世界につながる中国経済の経験とモデルと段階的に模索し、新たな改革開放と経済のモデル転換・バージョンアップに向けて成熟した制度と法律システムによる保障を提供することが必要になる。（編集KS）

「人民網日本語版」2013年10月8日