中国の新たな改革の試験場として注目を集めている上海自由貿易試験区が本日(29日)、正式に発足した。試験区の各業務を全面的かつ効果的に推し進めるため、国務院は27日、「中国(上海)自由貿易試験区全体プラン」を発表した。同プランには、試験区建設をめぐる主な任務や措置が明確に記されている。京華時報が伝えた。
中国経済の発展は、質と効果を高める「第2期」に突入したと言われるが、上海自由貿易試験区はまさにその試験場となる。ここでは投資・貿易がより便利となり、人民元の兌換が自由化され、監督管理の効率が上がってより簡潔になり、法的環境が規範化され、国家開放の新たな高み、改革の新たな模範が示される。
全体プランの注目点として、以下の4点が挙げられる。
(1)「ネガティブリスト管理」 投資・貿易がより便利に
ネガティブリストは上海自由貿易試験区内の重要な革新的制度だ。ネガティブリストとは、投資分野で例外的に開放されていない分野のリストを指し、このリストに記載されていない項目は規制されないことになり、事前の審査・認可も不要となる。
ネガティブリストは、政府と市場の境界線をはっきりさせるためものだ。つまり、政府が管理する必要がある部分を明確化するもので、政府が無制限に手を出さなくなる。同制度を採用すると、事前審査・認可における政府の権力が弱まる一方で、投資中・投資後の監督管理能力は強化する必要がある。
(2)「境内関外モデル」 貨物の流通がスムーズに
上海自由貿易試験区の建設は保税区を基礎としているが、保税区では税法上は国内扱いであるのに対し、試験区では本格的な「境内関外モデル(国境内にあるが関税は外国扱い)」を目指す。
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