中・小都市の歩調を合わせた発展が必須
「都市病」の1つとなっている人口爆発に、解決策はあるのだろうか。
段教授は、「都市とは、複雑な自然システムでもあり、複雑な社会システムでもある。都市管理や都市運営には、この複雑さに的を絞って、総合的に各要素を検討しまとめる必要がある。人口の抑制にも同じ作業が必要」と指摘、「人口抑制のプラットホームを全国に設置し、公共資源が均等に分配されるよう促進することが必須。大都市以外の多くの地域も歩調を合わせて発展しなければ、本当の意味で人口増加に歯止めをかけ、人口の秩序ある流動を実現することはできない」としている。
世界を見ても、多くの国が各地域に存在する格差を縮めることが大都市の人口増加の根本的な解決策であることに気付いている。例えば日本は、人口が都市に集中することを避けることを目標に、1962年に「全国総合開発計画」を制定。地方の振興を図り、中・小都市を発展させてきた。また、韓国は、首都ソウルの「都市病」を軽減し、各地域のバランスの取れた発展を促進するため、行政首都を「世宗特別自治市」に移す計画を進めている。
大都市の人口が増加すると、都市の中心地域に大きな負担がかかる。黄所長は、大都市の人口増加を軽減するためには、ニュータウン、新区などを建設し、人口が中心地域から郊外に移動するよう導くことも必須との見方を示す。
また、ある専門家は「現在、大都市に人口が集中していることは、都市の位置づけがはっきりせず、整った機能ばかり追求していることと大きな関係がある。そのため、人口増加の圧力を効果的に抑制したいなら、大都市の位置づけを計画段階からはっきりさせ、できることとできないことをはっきり見定める必要がある。また、産業の構造を合理的に調整し、人口を含む各種資源を秩序だって流動させたり、合理的に配置したりしなければならない」との考えを示している。
段教授はまた、「どのように抑制するかにかかわらず、行政という手段を通して都市に流れ込む人を制限するという意味ではない」と強調した。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年9月27日
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