スペインメディアは五輪招致失敗の原因を分析する際、経済危機への言及を避けている。だが日本は、スペインには日本のような経済力や政治力が明らかにないため、日本が主導権を獲得し、スペインは落選したのだと自信を持って考えている。人民日報海外版が伝えた。
実際には、日本の勝利は様々な原因によるものだ。そして五輪開催権争奪への日本の上から下までの熱狂ぶりは、昔日の力を取り戻すことへの切望に由来する。
■狂喜の中の自信
日本の政界とメディアが五輪招致成功に狂喜しているのは、岸信介元首相の成功経験を連想しているからだ。1964年の五輪は戦後日本に経済の急速なテイクオフをもたらし、1967年には英仏を、1968年には西ドイツを抜いて、世界第2の経済大国となった。このため「東京オリンピック景気」が経済学の固有名詞にもなった。
現在、五輪効果に再び期待が集まっている。安倍首相はオリンピックは日本経済の「起爆剤」になると述べた。
日本の大和証券の予測は、東京五輪招致成功は2013年から2020年までに日本のGDPを3%押し上げるとしている。東京都は、控え目な見積もりとして首都高や公共施設の改修、観光施設の拡大などで少なくとも2兆9600億円の経済効果があるとの見方を示した。
こうした考えの下、雇用にはさらに多くの期待が寄せられている。五輪によって15万人の雇用が創出されると見られている。
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