中国経済網の苗蘇シニア編集者によると、人民元は世界の取引通貨上位10位入りを果たしたが、人民元国際化の道はなお遠く長い。現在の人民元国際化はまだ非常に初歩的な段階にとどまっており、世界の国際貿易や海外投資に占める割合はまだ小さい。
中国は世界の18カ国の中央銀行や通貨当局との間で二国間の通貨互換協定を結んだが、こうした努力が人民元国際化にとってどれくらいの促進効果をもつのかはしばらく観察が必要だ。そもそも世界には190あまりの国があり、中国と二国間通貨互換協定を結んだところはまだ少数だ。さらにこの少数の国々は中国と密接な経済貿易関係にある国ばかりだ。より多くの国に人民元を受け入れてもらうにはどうするか、これは引き続き大きな課題だという。
苗シニア編集者は次のように指摘する。人民元の国際化は単に国際経済貿易取引において人民元の応用を普及推進するという単純な問題ではなく、中国経済に対する信頼感、競争力、監督管理水準など多くの方面に関わる問題だ。人民元が真の国際化を実現させたいなら、強い経済力をよりどころとしなければならない。中国は現段階ではまだ発展途上国だ。総合的な国力と国際的競争力は世界の先端レベルとでは大きな開きがある。国内の消費はまだ経済成長を牽引する主力にはなっておらず、先端科学技術の水準と数量も先進国とでは一定の開きがある。こうした現状と開きが、人民元国際化の道を遠く長く紆余曲折のあるものにすることは確実だ。
▽人民元国際化の推進には「国内での取り組み」を
市場リスクを防げ人民元の国際化を推進すれば外貨を使用することで生じる中国の富の流出を減らすことができ、中国の資金利用に新たなルートを切り開くことになる。だが人民元国際化は「両刃の剣」でもある。遼寧大学経済学院の王厚双教授によると、中国は人民元国際化の推進に努力するだけではなく、国際化がもたらすマイナスの影響にも積極的に対処していかなければならない。そのためにはまず「国内での取り組み」をしっかりと行い、中国の金融体制と金利体系をさらに整備して、市場リスクを防がなければならないという。(編集KS)
「人民網日本語版」2013年9月12日
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