国際決済銀行(BIS)が今月5日に発表した世界の外国為替市場の取引量に関する最新の調査報告によると、人民元は一日あたりの取引額がスウェーデンクローネ、ニュージーランドドル、香港ドルを抜いて世界9位の取引通貨となり、初めて世界の取引通貨上位10位入りを果たした。このことについて、北京大学経済学院金融学部の呂随啓副主任は、中国は無条件に喜ぶべきではない。米国、欧州、日本などの発達した経済体と比較した場合、人民元の国際化レベルにはまだ大きな開きがあると注意を促す。中国経済網が伝えた。
▽人民元が世界9位の取引通貨に
国際的地位がさらに向上同報告によると、今年4月の世界外国為替取引市場における一日あたりの取引額は5兆3千億ドルで、2010年4月に比べて約3分の1増加した。このうち人民元は340億ドルから1200億ドルに増加し、取引全体の2.2%を占めるようになった。外貨取引通貨ランキングにおける人民元の順位は10年の17位から今年は9位に上昇した。呂副主任は、「これは喜ぶべき現象だ。人民元の国際的地位と国際的な影響力がさらに上昇したことを示し、中国の人民元国際化推進の努力が一定の成果を挙げたことを物語る」と話す。
▽人民元のシェアは日本円の10分の1足らず
国際化を無条件に喜ぶべきでない人民元の一日あたり取引額は1200億ドルに達し、国際社会では人民元の認知度がますます上昇しているが、人民元の国際化水準を米国、欧州、日本などの発達した経済体と比べるとなお大きな開きがあることを見据えなくてはならない。呂副主任は、「円の一日あたり取引額は約1兆2300億ドルで、世界全体の23%を占める一方、人民元の取引額は世界全体の2.2%を占めるに過ぎず、日本円の10分の1に満たない。このことを冷静に認め、両者の間に存在する開きを認めなければならない。アジアにあって人民元はまだ日本円のライバルではない。人民元が世界規模で役割を発揮したいなら、まずは日本円を追い抜き、アジアで一番にならなければならない」と話す。
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